春の王者は21年ぶりのベスト4
夏の聖地へ一歩進めて後輩へ託す
第106回高校野球選手権静岡大会で、春優勝の加藤学園はベスト4で幕を閉じた。(取材・栗山司)
■4回戦で大逆転勝利
春の県大会を制した加藤学園。王者としての意地を見せた。4回戦は5回が終わって4点ビハインドの展開。それでも諦めなかった。6回に一挙6点を奪って逆転勝利を飾った。続く準々決勝では秋県大会3回戦で敗れた浜松工にリベンジを果たす。「チャレンジャーの気持ちで挑んだ」と米山学監督。同点の3回に持ち味の機動力を発揮する。1死二三塁から屋海州(3年=内野手)がバントすると、三塁走者に続いて二塁走者も生還。これが決勝点となり、21年ぶりのベスト4入りを決めた。
■カトガク野球を貫く
準決勝は守備のミスで序盤に失点すると、最後まで流れを引き寄せることができなかった。初の夏甲子園出場は叶わなかったが、新たな歴史を刻んだ。「最後まで自分たちの野球をやることができたと思うので、悔いはない」と気丈に振る舞った小室太陽主将(3年=中堅手)。「後輩たちには自分たちよりも良いチームを作ってもらって甲子園にいってほしいです」。
1年間に渡ってバント、走塁、キャッチボールにこだわり、勝負強さを追求した加藤学園。その遺伝子は次の世代に受け継がれる。