2019年に創立100年。
次なる時代へ一致団結
「伊商(イショウ)」の略称で地域から熱く応援される伊勢崎商。
学校は2019年に創立100年を迎えたが、野球部は伝統を力に変えて躍進を目指す。
■ 地域の応援を力に
2019年に創立100年記念式典を行った伊勢崎商は、「伊商(イショウ)」の略称で親しまれる伝統チームだ。
地域の声を力に戦ってきたチームは、過去に夏ベスト4進出、春関東大会に出場するなど実績を残してきた。
近年は2014年夏に4回戦へ進出するなど、激戦区・中毛地区で健闘してきた。
だが、以降は、野球人口の減少、私学の台頭などの影響を受けて、なかなか勝ち上がることはできていない。
しかし、士気は高い。
■ 甲子園でプレーした指揮官
チームを率いるのは、2017年に着任した木村公則監督だ。
関東学園大附出身で高校時代の1986年には、同校初の選抜甲子園出場を果たしたメンバーのひとり。
玉村、富岡実、高崎東で指導したのち、地元である伊勢崎商の指揮を任されている。
木村監督は「選手とともに甲子園初出場を目指しながら、伝統を引き継いでいきたい」とチーム強化に力を注ぐ。
伊勢崎地区は、群馬県中央に位置するため、中学生がどのエリアの高校にも通える土地柄。
選手強化は簡単ではないが、地道な選手発掘を続けて、成長を促す。
源後航輔(2年)と猿橋来琉(2年)の左右ダブルエースは、手塩にかけて育てた逸材だ。
木村監督就任3年目、チームは土台が出来つつある。
■ 秋大会は初戦で惜敗
戦力は整ってきた。
2020年夏を目指すチームは、大澤礼音主将(2年=内野手)と橋本一樹副将(2年=外野手)がチームをまとめている。
竹沢奨馬(2年=内野手)、入沢蓮太朗(2年=内野手)らの経験値も高く、強豪相手でもひるまない力をつけてきている。
今秋大会は1回戦で農大二と対戦、甲子園経験のある私学に対して、真っ向勝負を演じたが、乱打戦のシーソーゲームの末に8対10で敗れた。
大澤主将は「同点に追いついて勝てるゲームだったが最後に甘さが出てしまった」と悔やむ。
選手たちは、秋の悔しさを糧にトレーニングに励んでいる。
■ 守備からリズムを作る
今年の選手たちは入学時から、木村監督が指導してきた選手たち。
1年時からベンチ入りした選手も存在し、スタイルは浸透している。
情熱指揮官の指導を受けて成長してきた選手たちは、最終学年に結果を残すべく、一致団結している。
リードオフマンの橋本副将は「守備からリズムを作って、得意の打撃で勝ちきりたい。
春、夏は自分のたちの力を信じてチャレンジしていく」と意欲をみせる。
指揮官と選手たちは、からっ風が吹き付けるグラウンドで力をたくわえる。
春、夏大会は、自分たちの力をみせつける場所。
チームは、伝統という名の風を受けて、大きく舞い上がる。
群馬県立伊勢崎商業高等学校
【学校紹介】
住 所:群馬県伊勢崎市波志江町1116
創 立:1919年(町立商業高として改称)
甲子園:なし
伊勢崎市の商業高校。
商業科、会計科、情報処理科があり、1学年約280人。
野球部OBに元プロ野球・内山憲一(元ヤクルト)。
サッカー部、陸上部が県内強豪。