【明  法 野球部】「ターニングポイント」

30人の1年生が加入しチームに活気。

過去最高の夏ベスト16へ一致団結

昨春に多くの1年生を迎えてチーム改革に乗り出した明法。

文武両道に励む選手たちは、東村山から旋風を起こすべく、じわじわと力を蓄えている(取材・伊藤寿学)

■ 時代に即した形で野球に向き合う

変革のシーズンだ。

2019年4月に男女共学化となり初の女子生徒を迎えた明法は、2017年度から野球部を強化指定部に設定し強化を図ってきた。

共学初年度となった2019年4月には30人の1年生が加入するなどチームには大きな変化が生まれている。

現2年生は11人。

チームは一気に大所帯となった。

斉藤督大主将(2年=内・外野手)は「多くの1年生が入ってきてくれてチームに刺激が加わった。

全員の力を合わせて、勝てるチームにしていきたい」と話す。

礼儀・挨拶などを重視するチームだが、髪型は自由。

鈴木邦彦総監督は「強制的に坊主になるのでは意味がないと思います。

すべては選手に任せています」と自主性を重んじる。

チームは時代に即した形で、野球と向き合っている。

■ 鈴木総監督、相良監督の「二人三脚」

チームは昨年度から、新たな指導体制となった。

それまでは鈴木総監督(前監督)が約25年にわたりチームを率いてきたが、2018年11月に明法中学野球部を指導していた相良祐典監督が指揮官に就任、経験豊富な鈴木総監督と、指導力の高い相良監督の「二人三脚」で生徒たちの指導を行なっている。

タスキを受け取った相良祐典監督は「学校が変わっていくタイミングでの話だったので、大きな責任を感じています」と語る。

相良監督は、鈴木総監督のベースを踏襲した上で、野球の基礎を選手に徹底。

学校生活を含めて、野球部員としての自覚を求めた。

また1試合ごとの「収穫」や「課題」を記したメモをグラウンド横に掲示し、選手たち自身の変化を求めた。

■ 昨秋は都立強豪・文京に惜敗

1・2年生の臨んだ昨秋大会は、一つの手応えを得た。

1次予選初戦で松蔭・和光連合に6対0で勝利すると、予選決勝で文京と対戦した。

先発の1年生・大川貴文が粘りのピッチングをみせて4回を1失点で、エース加藤木大進(2年)へつなぐとゲームは1対1のまま延長戦へ。

都立強豪相手に金星を奪うチャンスもあったが、延長10回に2失点し力尽きた。

エース加藤木は「連戦の疲労もあって、最後は高めに浮いたボールを打たれてしまった」と悔やめば、主砲・片岡勇貴(2年=捕手)は「打撃でピッチャーを援護できなかった」と振り返る。

秋の反省をもとにチームはスタミナ強化や打撃強化に取り組み、レベルアップを図る。

冬を越えたチームは、1年生たちが力を伸ばし、競争は激化している。

斉藤主将は「投手力だけに頼らない戦いをみせて、過去最高の夏ベスト16を目指す」と力を込める。

選手たちが意欲的に練習に取り組むチームはいま、飛躍のターニングポイントを迎えている。

 

鈴木邦彦総監督

1968年静岡県生まれ。

浜松北-東京学芸大(軟式)。

大学卒業後に明法高へ着任し、野球部監督。

2018年11月から総監督。

保健体育教諭。

 

 

相良祐典監督

1978年福岡県生まれ。

福岡大大濠-駒沢大(軟式)-専修大学院。

大学院卒業後、明法中で野球部を指導。

2018年11月から明法高野球部監督。

国語教諭。

 

 


明法高等学校

【学校紹介】
住 所:東京都東村山市富士見町2-4-12
創 立:1963年
甲子園:なし
創立から2018年まで男子校だったが2019年4月から男女共学化。

文武両道の伝統校で、2017年度から野球部、サッカー部、ソフトテニス部が強化指定部となっている。

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