4年ぶり6回目の選抜へ。
今泉監督体制初の甲子園
桐生第一に4年ぶり6回目となる選抜切符が届いた。
1999年夏に、群馬県勢として初の全国制覇を成し遂げた桐生第一。
2018年秋から指揮を執る今泉壮介監督のもとで、初めて甲子園の土を踏む。
選抜では2014年に8強入り。
令和初の選抜での勝利を目指して「攻めの野球」で全国の猛者に挑む。
(取材・永島一顕)
■ 弾ける笑顔、歓喜爆発
1月24日午後3時過ぎ、選抜選考委員会からの連絡を緊張の面持ちで受けた味戸克之校長。
吉報を待つ野球部員らは玄関前に整列、味戸校長から「選抜出場決定」の報を受けた。
昨秋の関東大会で4強入り、周囲からは「出場確定」の声が聞こえていたものの、「吉報」が届くまでは安心できなかった。
選手・スタッフらの表情には、硬さの中に安堵の色がうかがえた。
胴上げ撮影では、選手たちの気持ちが一気に弾けた。
皆、満面の笑みを見せ、最初に今泉監督を胴上げ。
指揮官となって初めて届いた吉報に、今泉監督は歓喜の思いを隠さずに選手たちに身を委ねていた。
次に胴上げされたのは廣瀬智也主将(2年=内野手)。
チーム内で最も大柄な一人である廣瀬主将は、仲間たちの手によって繰り返し宙を舞う。
「甲子園行き切符」をチーム一丸となってつかんだ喜びは何物にも代えがたいようで、天空に向かって、大きく手を広げながら歓喜を爆発させていた。
校舎屋上からは「祝センバツ出場」の垂れ幕が下された。
桐一の選手たちは、それぞれに喜びをかみしめた。
「(選抜決定の)前夜は眠れなかった」というチーム一の努力家・エース宮下宝投手(2年)は、選抜決定にホッとした様子で「小さいころからの夢の舞台である甲子園出場が決まりワクワクしている」。
昨秋の関東大会後は、筋力トレーニングや走り込み、加えて食事にも十分気を配ってきたとのことで、「投球に勢いがついた実感がある」と自信をのぞかせ、「自分たちの野球をやって、対戦するチームに全力でぶつかっていく」と強い意気込みを言葉にした。
今泉監督は「桐一らしく、元気よくノビノビとプレーしてまず1勝。
そして、全国制覇できるように一生懸命頑張ります」と誓い、春の夢舞台に向けて気持ちを引き締めていた。
桐生第一は、令和初の選抜にタテジマの歴史を刻むべく、聖地へ乗り込む。
今泉壮介監督「感謝を胸に刻んで戦う」
「選抜出場は、多くの方々の協力があってこそ。
感謝という言葉をしっかりと胸に刻んでいきたい。
自分にとっても初めての甲子園なので、挑戦者の気持ちを忘れず、まずは1勝できるように、そして更なる高みを目指して、しっかりと準備をしていきたい。
名門を率いるプレッシャーもあったが、選手と一緒にどうすれば甲子園へ行けるのかを考えながらやってきたことが選抜出場につながったと思います」
廣瀬智也主将「応援してもらえるチームになる」
「春の甲子園出場が決まり、夢の舞台でプレーできる喜びを感じている。
挑戦者として全力で相手に向かっていきたい。
多くの方が支えてくれた中でプレーできるので、感謝の気持ちを背負って頑張りたい。
甲子園では、今泉監督に1勝をプレゼントできるように、そしてチームを優勝へ導きたい。
選手同士の仲の良さ、徹底力は他のチームには負けない。
野球以外の部分でも応援してもらえるチームとなり、自分たちらしくプレーしていきたい」
桐生第一高等学校
【学校紹介】
住 所:群馬県桐生市小曽根町1-5
創 立:1901年
甲子園:15回(春6回・夏9回)※今選抜含む
野球部1985年創部。
1999年は、夏の甲子園で群馬県勢初の全国制覇。
2003年は夏甲子園ベスト4。
OBにプロ野球・正田樹(元ヤクルトなど)、藤岡貴裕(千葉ロッテ)、サッカー鈴木武蔵(長崎)ら。