【宇都宮商 野球部】「101年目のスタート」#宇都宮商

秋季大会の敗戦を糧に

創部101年目の代への覚悟

春夏通算4度の甲子園出場を誇る伝統校・宇都宮商。

2020年夏は創部100周年だったが甲子園はコロナ禍に消えた。2021年度は、創部101年目。新たな時代の一歩を踏み出す。

[2021年1月号掲載]

■先輩の想いを背負って

輝かしい歴史を持つ伝統校だ。

「宇商」の愛称で親しまれるチームは、近年では2012年秋に県準優勝、関東大会4強進出で2013年春の選抜出場を果たした。2018年春にはOBの山口晃弘監督が就任し、新たな船出となった。2019年夏には快進撃をみせて準決勝へ進出、作新学院と激闘を演じたがゲーム終盤に力尽きた。甲子園切符はつかめなかったが、聖地が決して到達できない場所ではないことを知った。いまの2年生は、2019年夏の先輩たちの姿をスタンドで応援していた世代。2020年夏はコロナ禍で甲子園へ続く大会はなくなった。前チームは、ブロック3回戦で勝利し夏を終えた。新チームの選手たちは、先輩たちの想いを背負って始動した。

■あと2アウトの悪夢

秋季大会1回戦は連合チームに11対0で勝利、2回戦へ駒を進めた。対戦相手は、最終的に準優勝となり関東大会へ出場した石橋だった。

2回に1点を奪った宇都宮商は、好投手・左腕エース飯村晃貴(2年)がピンチを凌ぎながらスコアボードに「0」を並べていった。ゲームは9回表1アウトまで、宇都宮商が1対0でリード。あと2アウトで、ゲームセットだったが、エラーの連鎖で同点に追いつかれると、最後はタイムリーを許して1対2で逆転負け。

山口監督は「勝たなければいけない試合。最後に詰めの甘さが出てしまった。1イニングで負けた印象です」と振り返る。選手たちは、あの「1イニング」を忘れてはいけない。

■私学を倒して甲子園へ

今季のチームには特長を持った選手が揃っている。

投手陣は、左腕・エース飯村を絶対的な軸に、もう一人の左腕・小山太一(2年=投手・外野手)らが力を伸ばす。飯村、小山というタイプの違うダブルサウスポーが確立されれば、大きな武器となる。打撃は、リードオフマンを務める小山、3番の加藤悠太主将(2年=内野手)、4番・和知宥佐(2年=外野手)が力強いスイングをみせる。

加藤主将は「秋季大会では、自分たちに勝った石橋高校が関東大会まで進んだ。自分たちも絶対に行けるという手応えをつかみました。秋の悔しさを春・夏にぶつけていきたい」と気持ちを込める。

エース飯村は「県立高校で私学強豪を倒したいと思って、ここを選びました。強豪校を倒して甲子園へ行きたい。公立でも勝てることを証明したいと思います」と、マウンドへ立つ。

2021年の夏へ向かうチームは、創部101代目。令和の時代を戦う選手たちは、伝統に新たな彩りを加えていく。

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