【高島 野球部】「理念継承」 #高島

2020年秋に監督交代
新体制で挑む東京制覇

高島は2020年秋に島修司前監督(部長就任)から菊池明彦新監督へバトンが渡された。新指揮官は伝統と理念を引き継ぎながら、選手とともに新たな一歩を踏み出していく。

 

■高島の伝統を踏襲  

飛躍の転換期だ。高島は2012年秋ベスト8で都21世紀枠推薦校に選出。2016年、2018年夏にベスト16、そして2019年夏はベスト8へ進出した。チームを都立屈指に育て上げたのは、2012年秋から指揮を執った島前監督。多くの実績を残した名将は2020年夏の東東京大会後に、今後の異動を見据え、新たな体制づくりのため菊池明彦新監督へそのポジションを譲った。  

島前監督は「気は技を制す」のチームスローガンを体現し、大舞台で闘える選手を育てた。昨夏はコロナ禍での東東京大会。島前監督は3年生だけの戦いを選択するとともに、大会後の監督交代を1・2年生に告げた。島前監督は「菊池先生とは2019年春から一緒に指導してきたので安心して任せることができる。高島の伝統を踏襲してくれているし、チーム力を維持して、さらに高めてくれると思う」と、サポート役に回る。

■奉仕も練習の一つ  

菊池監督は日大一出身。篠崎で部長を務めたあとに上野で軟式を指導し、2019年春に高島へ。島前監督のもと部長を務めて勝負の術を学び、初めて指揮を執ることになった。新指揮官は「野球を通じて自己をつくる」という高島の理念に基づき、指導を継承。これまでどおりに月曜朝を「奉仕の日」と決めて、学校周辺の掃除に充てている。

菊池監督は「奉仕も練習の一つ。学校、地域から応援されるチームにならなければいけない」と人間力向上を促す。島前監督の計らいで昨秋大会から指揮を任された。初陣は1次予選1回戦の早大学院戦だった。高島は、2点を先制された状況で食い下がっていったが、2対3で惜敗し都大会出場を逃した。菊池監督は「“見えないエラー”などがあり、結果的に勝ち切ることができませんでした。甘くはないと感じました」と振り返る。高島は、秋の初戦敗退を受け止めて冬のトレーニングに突入した。

■レギュラー争いがチームの刺激  

高島は、毎年年末に伝統の1週間強化練習を行っている。ノックやインターバル走を組み込んだ練習で徹底的に鍛え抜く。グラウンド脇の黒板には「東京一アツイ冬」と書かれ、選手たちが限界と向き合った。選手たちは強化練習初日に頭を丸めて気合を込めた。恒例の練習によって選手たちは一つになる。

玉城勝寛(2年=内野手)は「秋季大会はスコア的にはもう一歩のゲームでしたが、自分は惜しいとは感じなかった。力の差を感じたので、練習で埋めていくしかないと思います」と練習に打ち込む。投手陣は左腕のエース角津田夢叶(2年)、1年生右腕・小川颯大が軸。打線は、鈴木心海(2年=内野手)、木村伸彦主将(2年=捕手)、相馬弘典(2年=外野手)のクリーンアップらが打力を伸ばす。守備はセカンド山田大雅(2年)、ショート有木崇太(1年)の二遊間が安定してきた。1・2年生の競争が激しくなるチームは春に向けてスケールアップ、新監督とともに次なる戦いへ備えている。木村主将は「春・夏に向けて1秒もムダにできない。ハングリーな気持ちでチャレンジしていきます」と前を向く。高島は、東京一アツイ集団になっていく。

※2020年12月取材

 

 

 

 

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