【春季高校野球神奈川県大会レポート 東海大相模】

「6季連続優勝」
県内公式戦41連勝  選抜制覇しスケールアップ

今春の選抜で全国制覇を成し遂げ帰還した東海大相模。春季県大会3回戦から登場したチームは、神奈川実力校を次々と撃破し、県内公式戦41連勝で春の頂点に立った。 (撮影・武山智史)

■準決勝は指揮官不在

準決勝のベンチには、門馬敬治監督がいなかった。前日練習で後頭部にボールがぶつかり入院し大事を取る形で、遠藤愛義コーチが代理で指揮を執った。甲子園では、大塚瑠晏が体調を崩して緊急入院する危機を乗り越えて全国制覇を果たしたが、春季大会セミファイナルでは指揮官不在の状況となった。準決勝・日大藤沢戦、それでも選手たちがやるべきことは変わらなかった。一人ひとりがチームでの役割を果たすと、ゲーム終盤に相手を突き放して14対5で勝利。不在の指揮官に勝利を届けた。

■チームテーマは「つなぐ野球」

翌日の決勝戦では門馬監督が復帰。桐光学園との戦いへ臨んだ。初回には、選抜優勝の決勝打点男・小島大河のタイムリーで先制。4回には、大塚のタイムリー3塁打などで3点を追加し、相手エース中嶋太一を降板させた。投手陣は、先発武井京太郎からの小刻みな継投で相手の打ち気をそぐと、9回は大型右腕・石川永稀が締めくくって4対3で勝利。「最後を任せてもらったので、やりがいを感じた。監督から『気合は込めるものではなくて出すもの』と教えてもらっている。石田(隼都)が投げない中で、負けるのは嫌だった」(石川)。選抜帰りのモチベーションが難しい大会で、勝負強さをみせて再び頂点に駆け上がった。今年のチームテーマは「つなぐ野球」。

東海大相模は、選抜での経験を力に変換し、全員の思いをつないで春の優勝旗をつかんだ。

■進化し続けるチーム

今大会では絶対エース石田隼都を温存させた中で戦っていった。石田は初戦の平塚学園戦の終盤に登板したが、それ以降はマウンドに立つことはなかった。絶対エース不在の中で、石川、武井、大森幹大らが好投し、春神奈川の頂点へたどり着いた。一丸となってつかみとった栄冠は、選抜全国制覇とは違った意味がある。門馬監督は「県内41連勝?勝ち続けることは難しいが、選手たちが常に進化しようと努力している結果だと思う」と話した。また一つ強さを身につけたチームは、激しいチーム競争の中で夏へと進んでいく。県内公式戦連勝記録はどこまで伸びていくだろうか。

 

 

 

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