
修羅場を乗り越えた先の頂点
準決勝・決勝では奥村頼人が計3発で大活躍
■4番・奥村頼人が2打席連続弾
頂点への過程では何度も崖っぷちに追い込まれた。準々決勝・平塚学園戦では序盤に4失点し劣勢となると、3対4で9回裏へ。相手の好守によって流れが傾く中、二死2・3塁で阿部葉太主将が起死回生のサヨナラ打で5対4の劇的勝利。総力戦によって“命”を吹き返した。準決勝・立花学園戦でも0対3とリードを許したが、4番・奥村頼人の2打席連続本塁打の計4打点の活躍によって逆転勝利を収めて決勝戦へ駒を進めた。
■「全員野球」で戦う覚悟
決勝の相手は、昨夏の決勝で敗れた東海大相模。横浜スタジアムは3万人以上の観客が押しかけて満員札止めとなった。2年生右腕・織田翔希が3回に3失点する状況だったが、4回に奥村が2ランを放って反撃の狼煙を上げると一挙4点を奪って逆転に成功。さらに5、8回にも集中打で得点を重ねて11対3とリードを大きく広げた。指揮官が、8回からマウンドに送ったのは背番号16の前田一葵。胴上げ投手に、エース奥村ではなく前田を指名したのは「全員野球」で戦う覚悟の表れ。阿部主将や奥村らタレントが揃うチームだが、全員が主役。「プレッシャーを乗り越えた選手たちを誇りに思う」(村田監督)。横浜が3年ぶりに夏甲子園出場権をつかみ取った。