【青山学院 野球部】「団結力」#青山学院

青山学院「団結力」

夏の独自大会は「参加辞退」 今秋は5年ぶりの都大会出場

青山学院は、コロナ感染拡大防止策として2020年夏の独自大会参加を辞退した。困難を乗り越えた選手たちは、この秋、5年ぶりに予選を突破し都大会出場を果たした。

 

2020年12月号掲載

 

■渋谷のド真ん中でトレーニング

青山学院は、渋谷のド真ん中で日々のトレーニングを積む。

文武両道の伝統私学だが、野球に対する思いは極めて強い。現在の2年生は9人だが、先輩の3年生はゼロ。今年の2年生の代は中等部時代から人数不足が想定されていた。選手たちは高校進学前に、野球未経験だった片岡龍哉(2年)に声をかけて野球部に迎え入れた。

結果的に片岡の入部によって人数が揃い、選手たちは安心して練習に励むことができた。そして2019年秋季大会予選に参加することができた。

貴重な経験を積んだ選手たちは2020年夏の独自大会を待ったが、生徒の安全確保を優先した学院の判断によって、抽選会前日に独自大会辞退が決定した。

選手たちは、その決定を受け止めて、前向きに練習へ取り組み、今秋季大会では5年ぶりに予選を突破、プライドを示してみせた。

 

■サラリーマン指揮官の指導

チームを率いるのは、サラリーマン指揮官の茂久田裕一監督。国士舘高から青山学院大へ進学し、学生時代からコーチとして高等部を指導していた。2018年秋、安藤寧則前監督の退任に伴い、監督に就任。平日は会社員として働き、週末を中心に熱心な指導を続けている。茂久田監督は「青山学院の選手たちは限られた環境の中、選手たちで工夫して練習に取り組んでいる。平日に私へ連絡してきて『バッティングを教えてください』ということもあったし、みんなでバッティングセンターに行くこともある。私自身が、この選手たちから多くを教えてもらっている」と見守る。指揮官は、週末の試合での課題を選手に伝え、選手たちは平日のトレーニングで課題と向き合う。その繰り返しがチームの力となっている。

 

■キラリと光る個性派選手

チームには、キラリと光る個性派選手が多い。

最速138キロの右の本格派・中山脩悟主将(2年=投手)がチームの中心。中山主将は、自慢のストレートとキャプテンシーで青山学院を力強く牽引する。中山のボールを受けるのは、センス抜群の手島颯太副将(2年=捕手)。もともとは遊撃手だったが、コロナ中断期間中に捕手が辞めてしまったため急遽、捕手にコンバート。攻守でチームを支えた。

打線のアクセントになっているのは、高校で野球を始めた片岡。当初はバットの握りも分からなかったが秋予選では3塁打2本を放つなど主軸に成長した。

そのほか4番の長谷山武志(2年=外野手)、古屋克樹(1年=内野手)らも心強い。今春には8人の1年生も加わり、チームには活気があふれる。来春・夏、青学旋風が起きる予感が漂っている。

 

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