【春季高校野球群馬県大会レポート 関東学園大附】

初優勝「春の上州制覇」
投打充実、春季初優勝 140キロダブルエース快投

関東学園大附が春季関東高校野球大会群馬県予選決勝で農大二を下して初優勝を決めた。個性あふれるチームが、波乱の大会を制した。

■破壊力あるマシンガン打線

戦国上州を制したのは、関東学園大附だ。

1回戦の桐生戦を3対2で制すと、一戦ごとに投打の歯車が噛み合っていった。3回戦では桐生第一を12対0の7回コールドで下す破壊力をみせた。走攻守で鍛え上げられたチームは、接戦で負けない強さも備えていた。準々決勝・前橋東戦を4対2、準決勝・太田戦では7回を終えて4対4となったが8回に下位打線が奮起し2得点。最終的には6対5で逃げ切り決勝へ進出、関東大会切符をつかんだ。上位から下位までの切れ目ない打線、そして代打陣の勝負強さも躍進の要因だった。

■140キロ右腕2人が中心

チームを支えたのは、羽鳥達郎監督が手塩にかけて育て上げた投手陣だ。最速144キロのエース石原勇斗、145キロの本格派右腕・篠原正紀、142キロの2年生・堀越蒼空と140キロのストレートを投げ込むピッチャーが揃う。驚くのは彼らがアベレージで140キロ台をマークしていること。3回戦の桐生第一戦などでは、プロ野球スカウト陣がズラリとスタンドに並んだ。いずれも足腰の土台が安定しコントロールが乱れない。チームは、エース石原を軸に、豊富な投手陣を使い分けながらトーナメントを駆け上がった。石原は「夏につながる大会になったと思う」と話した。

■選手たちがぐんぐん伸びる環境

今大会は、関東学園大附が3回戦で桐生第一を下すと、同じ3回戦で前橋育英が太田に敗れた。準々決勝では選抜出場の健大高崎が農大二に屈するなど、近年の甲子園出場校が次々と敗退する波乱含みの展開となった。乱世の春の上州を制したのは、ここ数年、着実に結果を残してきた関東学園大附だった。理論的なトレーニングで選手の能力を伸ばす指導法が花開いた形となった。石原、篠原のダブルエースを始め、若い選手たちがタケノコのように伸びているチームには大きな可能性を感じる。チームは決して浮かれてはいない。夏の厳しさを知る羽鳥監督は「夏はまったく別の大会。おごることなくチャレンジャーとして夏へ向かう」と引き締める。

チームは関東大会を経験してさらに強くなる。

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