【郁文館 野球部】  「3C」 #郁文館

元プロ指揮官率いる新勢力
チェンジ、チャレンジ、チョイスで初の甲子園へ

 伝統校・郁文館が、元プロ田中幸雄監督(元日本ハム)のもと力を高めている。2019年夏の東東京でベスト16に進出したチームは、夢の続きを追っていく。

■2019年東東京ベスト16  

着々と力を蓄えている印象だ。日本ハムで大型投手として活躍した元プロ田中監督が2017年にコーチ就任、翌2018年7月から指揮を執っている。2019年4月には、練習場のある荒川河川敷からほど近い埼玉県戸田市に選手寮が完成。現在は部員46人中35人が選手寮で生活をしながら勉強と部活に励む。選手寮地下にはバッティングケージを備えたトレーニングジムがあり、選手たちは日夜スキルアップに取り組む。強化を進めるチームは2019年夏に3勝を挙げて5回戦へ進出。日大豊山に惜敗したもののベスト16の結果を残した。コロナ禍の2020年夏の独自大会では2回戦で明大中野を下した。昨秋は2回戦で早稲田実、今春は1回戦で駒大に敗れたが、エース甲斐一馬主将(3年)、台湾からの留学生プレーヤーの主砲・郭家樺(3年=外野手)を軸にしたチームの潜在能力は極めて高い。

■環境、指導体制充実のチーム  

チームを率いる田中監督は、190センチの大型投手として日本ハムで8年間プレー。引退後は、日本ハム、横浜でコーチ、スカウトなどを務めたほか、菊川南陵(静岡)で監督として高校生を指導。プロ、アマでの豊富な経験を球児に還元すべく2017年から郁文館で指導している。元プロの指揮官はスローガンとして「3C」を掲げた。「チェンジ(CHANGE)」「チャレンジ(CHALLENGE)」「CHOICE(チョイス)」の3つの「C」へのこだわりを求めた。田中監督は「ベスト16を越えて上へ行くには、自分たちが変わっていかなければならない。自分たちを変えて、チャレンジして、良い選択をすることが勝利につながっていく」と語る。チームには2021年4月、雪谷指揮官時代に甲子園出場を果たした相原健志氏(元日体大荏原監督)が助監督に就任、指導体制も充実している。

■学校の代表としてプレー  

今季のチームは、エース甲斐主将が精神的支柱だ。甲斐主将の度胸あふれるピッチングでリズムをつかみ、3番・小沢大輔(2年=内野手)、主砲・郭、5番・大熊拓未(2年=捕手)のクリーンアップへつなぐ。主砲・郭は「チームバッティングで勝利に貢献したい」と打席に立つ。投手陣は、エース甲斐のほか、右腕・秋葉陵汰(3年)、左腕・姚柏宇(2年)、193センチ右腕・森脩真(2年)らタイプの違う選手が揃う。6月末、渡邊美樹校長(理事長)がユニフォーム姿でグラウンドに駆けつけ選手たちにノックを打ち込んだあと、登録メンバーに背番号を手渡した。甲斐主将は「夏は学校の代表としてプレーをして、甲子園初出場を決めたい」と気持ちを高めた。田中監督は「敵は相手ではなく自分。陸上競技に例えればそれぞれが自己ベストを出すことが勝利につながっていく」と選手を送り出す。郁文館は、夢の力を信じることで東東京に旋風を起こす。

 

(2021年8月号掲載)

Pocket

おすすめの記事