メモリアルイヤーに甲子園へ
夏の1回戦は平塚江南が相手
2021年は湘南によって創立100周年のメモリアルイヤー。選手たちは、赤木愛太郎初代校長の銅像の前で夏の健闘を誓う。
■天分を啓発することが使命
神奈川、いや全国屈指の公立進学校・湘南。1921年(大正10年)の創立から、今年は100周年を迎えている。今年5月には、玄関前に初代校長赤木愛太郎の銅像が改修されて、周囲も整備された。学校資料によると、赤木初代校長の息子で湘南1回生の勝彦氏が「各人各様の美点を持っているとの信念からこの天分を啓発することが根本であるということに徹して居りました」と父の教育方針を書き記しているという。選手たちは、それぞれの特長を生かしそれを伸ばしていくことで成長していく。それがチームへの貢献につながる。湘南は、伝統を力に変えて夏の神奈川県大会へ向かう。
■考える野球で勝機つかむ
秋季県大会は1回戦で横浜商と対戦し0対3で敗れた。冬を越えて挑んだ春季県大会は1回戦で横浜栄に勝利し、2回戦では桐蔭学園とのゲーム。右腕・近藤多玖朗(3年)が先発してチームとして粘り強い戦いはみせたが4回にミス絡みで3点を奪われたことが響いて1対5で屈した。秋、春ともに実力校との対戦になった中で、自分たちの野球ができたことは収穫だ。
川村靖監督は「今年の3年生は力のある選手が揃っている。どんなチームと戦ってもゲームにならないわけではない。あとは勝負所で力を出せるかどうか。良い戦いではなく、勝つ戦いをしなければいけない」と話す。できないことではなく、できることをやるだけ。選手たちは、考える野球で勝機をうかがっていく。
■目指すのは甲子園のみ
今年のチームは、髙木蘭太朗主将(3年=内野手)がショートストップとして守備を支える。投打の軸は、4番に座る長沼優斗(3年=投手・外野手)、器用なプレーをみせるリードオフマン・宮崎和輝(3年=投手・外野手)、近藤ら。髙木主将は「機動力を絡めた全員野球で戦っていく。失点を最小限にして、チャンスで効果的な攻撃をみせていきたい」と話す。湘南は夏の神奈川県大会1回戦(7月12日)で平塚江南と戦い、夏のスタートを切る。川村監督は「コロナ禍になるが大会がある以上、湘南として目指すのは甲子園。精一杯戦っていきます」と語る。最も困難な道へ挑戦せよ。100周年を迎えた湘南は、困難を恐れることなくチャレンジしていく。