【工学院大附 野球部】「結」 #工学院大附

昨夏は時間制限で涙
新たな歴史へ個性派集結

1991年夏の西東京大会でベスト4に進出した実績を持つ工学院大附。

八王子の丘陵地のグラウンドで力を蓄えるチームは、昨夏の西東京大会で時間制限敗退となった3年生の思いを背負って戦っていく。

(2021年2月号掲載)

■夏の独自大会はベスト16  

夏は突然の幕切れとなった。

1回戦で和光、2回戦で小平南、3回戦で聖パウロ学園に勝利し4回戦では優勝候補・創価と対戦した。5回まで3対4の状況下、6回表に3対8とされたが、その裏に山本悠太(3年=捕手)の走者一掃2塁打などで4点を奪い7対8に迫る。創価はエース森畑侑大をマウンドに送り逃げ切りを図る。8強入りをかけたゲームは激戦となったが、工学院大附の敵は創価だけではなかった。独自大会は試合開始2時間20分経過以降に次のイニングへ進まないという規定があったが、時間制限によって8回裏の攻撃が最後になった。工学院大附は、9回を戦うことなく無情にも敗戦が決まった。

先発した渡邊大輝(3年)は「自分が失点したあとみんなが取り返してくれてあと1点まで迫ることができた」と感謝を伝える。最後の打者となった山本は「あと1点だったのに、試合が終わってしまって悔しさが残りました。2年生には僕らの分まで戦ってほしい」と、後輩たちに夢を託した。

■3年生の戦いを継承する  

新チームをまとめる岡崎泰成主将(2年=内野手)は、島﨑龍斗(2年=投手)、並木勇吾(2年=投手)と一緒に昨夏もベンチ入りし、3年生たちとともに戦った。創価戦6回裏に4点を奪った攻撃、7・8回のベンチの雰囲気、すべてが印象に残っているという。

岡崎主将は「3年生たちは、ベンチの選手全員が一体になって戦っていた。僕たちも3年生の戦いを継承して、先輩たち以上の結果を残したいと思います」と力を込める。

■チームのスローガンは「結」  

今年のチームのスローガンは「結」。部員全員の気持ちを一つに“結”び、“結”果を残すことを意味している。

昨年秋季大会は、予選で目黒日大に敗れ、自分たちの甘さを痛感した。2021年の夏へ向かうチームは、昨夏の創価戦で好投した右腕・島﨑、左腕・並木の両投手が軸。島﨑、並木ともに伸びしろが大きく、今夏の注目選手になる可能性が高い。工学院大附は、左右のダブルエースを軸に春・夏の進撃を狙う。威力あるストレートを投げ込む島﨑は「どんな相手にもストレートで勝負できるピッチャーになりたい。先輩たちがベスト16だったので、自分たちの代でベスト8以上に行きたい」と夏へ向かう。

個性あふれる選手が集う工学院大附は、2020年夏の悔しさを糧に、夢の続きを追いかけていく。

 

 

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