【東大和  野球部】「『都立の星』奪還」 #東大和

「元祖」「古豪」からの脱却
野心を自信に変換して挑む2022年

1978、1985年の西東京大会で準優勝となり、『都立の星』の称号を得た東大和。選手たちは、『都立の星』奪還を目指して野心をみなぎらせる。

■掲示板に記した言葉

東大和はかつて、甲子園にあと1勝まで迫った。私学優勢の中での進撃によって「都立の星」と呼ばれるようになった。1985年夏の準優勝から36年がすぎているが、いま東大和を語るときは、元祖「都立の星」や「古豪」という言葉が使われる。過去の栄光への敬意を込めた表現だが、いまの選手たちには悔しさがあるという。前チームからレギュラーの浅田緯力副将(2年=外野手)は「元祖とか古豪だと、今は強くないような意味になってしまう。僕らが勝つことによって、そのイメージを変えていきたい」と気持ちを込める。

今季のチームの選手たちは、始動ミーティングで目標について話し合った。そして練習場の掲示板に「西東京優勝」「都立の星奪還」と記した。

■都屈指の本格派エース

今季のチームは、都屈指の本格派右腕・朝岡涼太(2年)、走攻守3拍子そろった外野手・浅田副将、ガッツあふれるプレーをみせる廣嶋陽樹副将(2年=内野手)らが軸となる。朝岡は、2年夏まで遊撃手としてレギュラー出場していたが、新チームから背番号1をつけて本職の投手としてマウンドに上がる。抜群の身体能力を持つ逸材が、春夏にどこまで成長するかがチーム飛躍の鍵となる。

2021年夏は3年生絶対エース川島慶土を中心とした守りのチームで4回戦へ進出したが、今季のチームは、エース朝岡を擁するものの打撃力を備えた攻撃型のチーム。福島靖監督は「エース朝岡が計算できる上に打撃力のある選手が揃っていて、スケールの大きなチームになる可能性がある。チームにみなぎる野心を、自信に変えることで強くなっていけるはず」と期待を込める。

■春・夏は下克上を起こす

2021年秋は、飛躍の可能性を示した。一次予選決勝で都立名門・文京に4対3で勝利して都大会出場を決めた。1回戦では堀越と対戦して、接戦を繰り広げてみせた。初回に1点先制されたが2回に1番・谷航希(2年=外野手)の走者一掃タイムリー三塁打、いぶし銀の2番・山本悠太(2年=内野手)のタイムリーなどで一挙5点を奪って逆転に成功。白熱のゲームは5対5で延長へ突入、エース朝岡が211球の粘投をみせたが11回に失点して5対6の惜敗となった。

廣嶋副将が「秋の悔しさを糧にこの冬でひと回り成長したい。春・夏は下克上を起こしたい」と話せば、岡本遼平主将(2年=捕手)は「自分たちの代で、『都立の星』を取り返したい」と覚悟を決める。都立の星奪還へ、東大和は一つになる。

 

 

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