【明和県央】 「上昇気流」 #明和県央

今春、待望の選手寮が完成し環境充実
今秋のシード権は飛躍のプロローグ

 明和県央が今秋の県大会でシード権を獲得した。一昨年までに専用野球場を整備、今春に運動部寮が完成するなど環境も整うチームは、初の甲子園出場を目指して進化していく。

■県内屈指の練習環境でレベルアップ  

今春、学校敷地内にラグビー部、野球部の運動部寮が整備された。野球部は、2年生2人、1年生5人が初期メンバーとして入寮した。2020年にはラグビー練習や多目的運動場などの人工芝グラウンドが整備されたことによって、野球部のグラウンドが専用球場となっている。レフト後方にはビニールハウスの室内練習場も完成。今回の選手寮整備によって、野球部を取り巻く環境は県内屈指となった。今春入寮したエース須藤奨太(2年=投手)は「夕食後にみんなで自主練習をしたりして、充実した時間が過ごせている」と話す。今年4月にはペガサスジュニアでプレーした双子の兄・小路颯人(1年=投手)、弟・悠人(1年=外野手)が入部。チームの土台レベルは一段と上がってきている。

■常にシードを狙えるチームに  

環境整備は、今秋の好結果をもたらした。新チームで戦った西毛リーグで予選ブロックを全勝で通過し、決勝トーナメント準決勝で高崎に4対3で勝利。決勝では健大高崎に敗れたが、堂々の準優勝で秋季県大会のシードを獲得している。2014年の塩原元気監督就任後、秋のシードは初という。秋季大会抽選では、左上の“1番”を引き当て大会ダークホースになる予感を漂わせている。新チーム始動直後は、練習試合などでも勝ちきれなかったが、グラウンドに課題を持ち帰り、一人ひとりが弱点を克服していったことでチームは力を伸ばした。塩原監督は「この秋のシードは一つの自信になるが、どの大会でも常にシードを狙えるチームにしていきたい。安定してベスト8に入るようになった先に、甲子園が見えてくると思う」とチームビジョンを見据える。

■大黒柱はエースで4番の須藤  

今季のチームの大黒柱は、エースで4番の絶対的存在・須藤だ。須藤は最速138キロのストレートと、スライダー、カーブ、チェンジアップを操る県内トップクラスのサウスポー。打者としてもパンチ力を備え、高校通算11本塁打をマークしている。須藤は「前チームまでは3年生に頼ってしまっていたが、いまは自分がチームを引っ張っていくつもり。群馬を代表するピッチャーになって、格上のチームを倒していきたい」と力を込める。チームは、守備の要・野寺日翔主将(2年=内野手)を精神的支柱として、走攻守揃ったリードオフマン星田大志(2年=外野手)、粕川修一朗(2年=外野手)らが屋台骨を支える。チームが目指すのは「打ち勝つ野球」。エース須藤を打線が援護することで、チームの可能性は広がっていく。野寺主将は「どんな相手にも怯(ひる)まずに自信を持って戦っていく」と野心を漲らせる。今秋のシード権は飛躍の序章。明和県央は充実の環境を追い風に上昇気流に乗っていく。

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