昨夏は35年ぶりのベスト4進出
今季のチームも秋ベスト8で視界良好
2021年夏ベスト4、2021年秋ベスト8の戦績を挙げた藤沢翔陵。気迫あふれるプレーをみせるチームは「和力」を武器に神奈川制覇を目指していく。
■進撃の翔陵、上昇気流再び
藤沢翔陵が再び上昇気流をつかみつつある。昨夏の神奈川大会は、最速137キロ右腕エース橘海斗(今春卒業)を軸にトーナメントを一歩ずつ上がっていった。1回戦で法政二に1対0、3回戦では湘南学院に2対0。難敵相手に投手戦を制して5回戦へ進出すると相洋との総力戦に9対5で競り勝った。相洋戦は序盤にリードしながら中盤に追いつかれる難しい展開。しかし終盤に底力を発揮し、相手を突き放してみせた。藤沢翔陵らしさを表現した好ゲームだった。準々決勝は、東海大相模の大会辞退によって不戦勝。準決勝では横浜に屈したが、35年ぶりの夏4強進出を果たした。
■堅守を武器に秋ベスト8進出
夏大会後に始動した新チームは、前チームからレギュラーだった水野朝陽主将(3年=遊撃手)を軸にスタートを切った。バッテリーを含めて新たな立ち上げになる中で、選手たちが粘り強い戦いをみせていった。地区予選3連勝で県大会へ駒を進めると、初戦となった2回戦で立花学園と対戦し7対0で勝利。続く3回戦では県立伝統校・湘南と戦い、3対0の2戦連続無失点勝利。4回戦では川崎総合科学に8対1で勝利し準々決勝へ。2季連続のベスト4を懸けた横浜商大戦は1対5で惜敗したものの殊勲のベスト8。攻守に渡りチームを牽引した水野主将、伊藤大樹(3年=外野手)のほか、新2年の左腕・福田京佳、同じく新2年の捕手・梅澤蒼空らの成長が目立った。川俣浩明監督は「チームが未完成だった中で選手たちが想像以上の力を発揮してくれた。秋の経験が、春、夏へつながっていくはずだ」と語る。
■一丸となって戦うのが翔陵らしさ
夏ベスト4、秋ベスト8は、さらなる飛躍の序章だ。チームは投打のパワーアップを目指して冬トレに励み、それぞれが心技体で進化を遂げた。投手陣は、秋大会で好投した左腕・福田に負けじと、3年生右腕エース園川龍来(3年)が球速を伸ばすとともに、技巧派右腕・石井颯(3年)も安定感が増した。打線は、水野主将、主砲・梅澤のクリーンアップが鋭い打球を飛ばす。守備では、遊撃手の水野主将、二塁手の玉城巧望(2年)、センター伊藤のセンターラインが堅実な守りをみせる。レギュラーの3〜4人を2年生が占める若いチームは大きな伸びしろを秘めている。
チームスローガンは「和力」。一体感を前面に出して戦う藤沢翔陵は過去においても数々のミラクル劇を演じてきた。水野主将は「先輩たちの戦いから力をもらった気がしている。一丸で戦う野球を引き継いで先輩たちを超えていきたい」と気持ちを込める。士気高まるチームは、和の力で甲子園への扉を開く。