準決勝は不戦勝で決勝へ
春準優勝を糧に夏の王座奪還へ
健大高崎が春季関東地区高校野球大会群馬県予選で準優勝となった。決勝では前橋育英に惜敗したが、夏に向けて戦力は整いつつある。チームは関東大会でさらなる経験を積み、夏へ向かう。
■大きな可能性を秘めた巨大戦艦
今年の健大高崎も大きな可能性を秘めたチームだ。走攻守3拍子そろった佐々木琉生主将、プロ注目の強肩強打の捕手・清水叶人の3年生を軸に6大会ぶりの夏甲子園、そして悲願の全国制覇を狙う。前チームからのレギュラーは少なかったため経験値こそ少なかったが、昨年の秋季県大会は準優勝という結果を残して関東大会へ。選抜出場をかけた関東大会は準々決勝で明秀日立と対戦。主砲・清水がソロアーチを放つなど張り合ったが最終的には4対11で突き放された。全国トップレベルの力を目の当たりにしたチームは、現実を受け止めて走攻守のレベルアップを図った。
■1・2年生も台頭しチームに活気
1・2年生も台頭している。2年生クラッチヒッター増渕晟聖、180センチ100キロの1年生大型スラッガー森山竜之輔の打撃陣に加えて、加藤達哉、小玉湧斗の2年生投手陣が力を伸ばした。春季県大会では高崎東、市立太田を撃破し準々決勝・太田戦へ。5回まで相手投手に打線が抑え込まれて1対3と劣勢の試合展開。6回の4番・佐藤志龍のソロ本塁打を起爆剤にすると、7回に秋葉龍之介の3塁打を皮切りにチャンスを広げ、4番・佐藤の2点二塁打などで逆転に成功。6対3のスコアで準決勝へ駒を進めた。準決勝は利根商との試合だったが、利根商がコロナ陽性者発生で出場辞退。健大高崎は、複雑な思いで決勝戦へ進出した。
■夏の甲子園切符は1枚
決勝の相手は、群馬の覇権を争う好敵手・前橋育英。先発のマウンドに立ったのは最速144キロの2年生右腕・小玉。小玉は走者を許しながらも粘り強いピッチングを披露。守備陣の好プレーで失点を許さずに盛り立てていった。ゲームは、2回に増渕がレフト席にソロ本塁打を打ち込み1点を先制。その後は、息詰まる投手戦となり1対0でゲームが進んでいった。だが、8回に同点とされると9回に逆転を許して1対2で惜敗となった。選手たちは課題と収穫を手に、関東大会へ向かう。青柳博文監督は「夏に向けて、良い経験になった。ここから投打の質を高めていきたい」と語った。群馬の甲子園切符は1枚。健大高崎は、夏の王座奪還を狙っていく。