【高崎北】 「過去を超えろ!」

2020年秋の県大会でベスト8
7大会ぶり公式戦勝利へ覚悟の冬

 2020年秋の県大会でベスト8へ進出した公立進学校・高崎北。コロナ禍の中、チームは結果を残せていないが、2023年は飛躍のシーズンとなる。

■再起を図る新生・高崎北  

高崎北は2019年夏1回戦で前橋工を倒して狼煙を上げると3回戦では桐生第一に4対6と食らいついた。地力をつけるチームは2020年秋3回戦で伊勢崎清明を下してベスト8へ進出、公立ダークホースとして脚光を浴びた。さらなる飛躍が期待されたが、コロナ禍の影響もあり、勝利から遠ざかった。選手たちに力がないわけではなかったが、2021年春から6大会連続で初戦敗退。2021年夏は高崎商大附、2021年秋は前橋育英と初戦でぶつかるなど対戦カードによる部分もあるが、チームは結果を受け入れて再起を図る。2018年から指揮を執る青木達也監督は「2020年にベスト8に入ったことで上を目指す貪欲さが薄れたのかもしれない。もう一度、出直しです」と生徒に寄り添う。

■投打の戦力を支える学生コーチ  

今年の選手たちは、2020年秋ベスト8の結果をみて入学してきた世代。高崎北野球部でプレーするため学力レベルを下げて入学してきた選手もいるなど、選手たちは野心を胸に秘める。左腕エース小島蒼生(2年)は「勉強も野球も本気でできる環境を選んだ」と文武両道を貫く。チームは、攻守の要・芥川璃空主将(2年=内野手)を軸に団結する。打撃陣は、1番・芥川主将、2番・田邉豪(2年=外野手)、3番・森川智貴(2年=外野手・投手)、4番・田中惺也(2年=外野手・投手)の上位陣が得点に絡む。選手たちをサポートするのは、学生コーチの小嶋駿介(2年)。1年生のときに体調を崩して一度は退部を決心したが、仲間のために裏方になることを選択。ノックやトス役を務めて、欠かせない戦力となっている。小嶋は「力のある選手たちが多いので、春・夏に勝ち上がれるようにサポートをしていきたい」と役割を果たす。

■“覚悟の冬”を超えて強くなる  

2022年秋大会は、初戦で桐生工と対戦した。序盤から得点の奪い合いになる中で、左腕エース小島が粘りのピッチングをみせたが失点を止めることができずにじわじわと点差が離れていった。3対13で迎えた9回に芥川主将のタイムリー三塁打などで意地の3点を奪ったが、6対13でゲームを終えた。秋の課題は、投手がエース小島だけだったこと。秋大会後、チームは森川、田中惺に登板機会を与えて投手陣を整備。森川は最速135キロ、田中惺は最速134キロをマークするなど、春夏への目処が立った。投打の歯車が噛み合ったチームは、秋大会以降の練習試合で確かな手応えをつかみ取った。芥川主将は「自分たちは入学から公式戦で一度も勝てていない。負けた悔しさを糧に、練習から緊張感を持って取り組んでいく。自分たちの代でベスト8を超える結果を残したい」と力を込める。チームとして過去を超えるためには、選手たちが過去の自分を超えていかなければいけない。指揮官によると、この冬は、就任以来最も過酷な冬トレを課す予定という。選手たちは“覚悟の冬”を超えて、たくましくなる。

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