【国士舘】 「未来への扉」

春夏通算11度甲子園出場の伝統校
2005年以来の夏甲子園へ「総力戦」

 国士舘は2022年夏、2022年秋の2大会連続で東海大菅生に惜敗して甲子園への道を閉ざされた。雪辱を期す選手たちは、2005年以来の夏甲子園を目指す。

■永田前監督の勇退で箕野監督が再登板  

国士舘は2022年4月の春都大会直前に監督が交代となった。永田昌弘前監督が健康面の問題で勇退することになり、箕野豪コーチが監督になることが決まった。OBの箕野監督は2006〜2016年まで国士舘で指揮を執っていたため再登板となる。箕野監督は「心の準備もできていない中でチームを率いることになった。準備期間もない状況でまずは春にベスト16に入って、夏のシードを取ろうとスタートを切った」と振り返る。迎えた春都大会、選手たちはベストを尽くしたが、3回戦で堀越に4対7で敗れて目標に到達することができなかった。指揮官によると春都大会後、主力の3年生たちが自発的に頭を丸めて練習場へやってきたという。箕野監督は「選手たちの行動をみて、夏に懸ける思いが伝わってきた。選手たちのためにもやらなければいけないと思った」と寄り添う。

■夏、秋ともに東海大菅生に惜敗  

ノーシードで夏へ挑んだ国士舘は3回戦で日大二、4回戦で早大学院、5回戦で日本学園を撃破。準々決勝では優勝候補・国学院久我山に8対2で勝利しベスト4進出を果たした。準決勝・東海大菅生戦は3対3で延長に突入する激闘となった中で10回に力尽きた(3対4)。3年生たちの思いを背負って始動した新チームは、秋都大会準々決勝で再び東海大菅生と対戦した。因縁のゲームは再び1点を争う好ゲーム。国士舘のエース岡田大幹(2年)と、東海大菅生のエース日當直喜(2年)の白熱の投手戦は9回を終えて1対1で決着せずに再び延長戦へ。そして国士舘が1対2で屈した。エース岡田は「最後に自分の甘さが出てしまった。勝つチャンスがあったので悔いが残る」と悔しさを受け止めた。結果的に、東海大菅生は秋都大会で優勝し東京の頂点に立った。国士舘は、惜敗の悔しさと、確かな手応えを感じて秋を終えた。

■国士舘のプライドを背負って戦う  

今季のチームは、夏の前チームと比較してチーム総合力の高さで上回る。投手陣はエース岡田を軸に、新里塁(2年)、鈴木琉夏(2年)が続く。3本柱が安定していることが春・夏への最大の強み。投手陣を中心とした守備でリズムをつくり攻撃へつなげていく。打撃陣は、高校通算20本塁打の福正吉(2年=内野手)、高校通算22本塁打の中島力(2年=外野手)、天性の打撃センスが光る左の好打者・石橋駿平(2年=外野手)が鋭い打球を飛ばす。佐々木覇主将(2年=投手)は「秋の東海大菅生戦は1対2の結果だったが、“1点”の差が大きく感じた。甲子園という目標へ向かってチーム全員で努力していく。春・夏は国士舘のプライドを背負って戦っていく」と瞼に力を入れる。「惜しい試合」ではだれも満足しない。立ちはだかる壁は、未来への扉。国士舘は、勝ち切る強さを求めて、日々のグラウンドに立つ。

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