【白山】「熱量」

神奈川公立No.1、そして頂点へ
「熱量」を力に変換して夏の舞台へ

 県立実力校・白山は2018年夏・北神奈川大会ベスト8、2020年秋ベスト8などの実績を残す。選手たちは、あふれんばかりの「熱量」を力に変換して夏の進撃を目指していく。

■頂点を目指してひたむきに努力  

夕どきのグラウンドに活気ある声が響いている。白山は、2020年3月まで、現横浜高・村田浩明監督が指揮を執った。2018年夏・北神奈川大会ベスト8などの結果を残しチームを一段上のレベルへ押し上げた村田監督は、同年春に県教員を退職して母校・横浜指揮官となった。白山はその後、尾形裕昭前監督が引き継ぎ2020年秋ベスト8の結果を残すと、2023年春からは安東拓真監督となった。バトンは渡っているが、チームの「熱量」は変わらない。そして、選手の情熱もまったく変わっていない。白山は神奈川公立No.1、そして神奈川の頂点を目指して、ひたむきに努力を続けている。

■春はY校に痛恨の逆転負け  

白山は春大会3回戦で横浜商と激闘を演じた。2回戦で霧が丘に勝利し3回戦へ駒を進めると、「Y校」との対戦となった。白山は、先発・鈴木翔陽(3年)がゲームを作って4回まではスコアレス。5回からシーソーゲームとなった中で、6回を終えて3対5と劣勢となったが7回に打線が爆発して一挙4点を奪った。8対6とリードして9回を迎えたが、9回に守備の細かなミスからリズムを崩すと耐えきれずに3失点。8対9での惜敗となった。吉田柊(3年=内野手)は「9回にミスから流れを与えてしまった。ワンプレーの重要性をあらためて教えられた。Y校戦の負けを夏へつなげていかなければいけない」と引き締める。春大会が初陣となった安東監督は「勝つことはできなかったが、選手たちは最後まであきらめずに戦ってくれた。あの敗戦をどう活かすかが大切だ」と振り返る。

■どこからでも長打が飛び出す打撃力  

2023年の白山の軸となるのは、1年秋からレギュラーとして試合に出場している田中一成主将(3年=捕手)だ。扇の要・田中主将とエース鈴木、西田剛の両投手のバッテリーを中心としてゲームをつくっていく。今年の白山の特長は、どこからでも長打が飛び出す打撃力だ。松嵜大介(3年=内野手)、田中主将、吉田のクリーンアップのみならず、下位打線でも得点が取れるのが強み。チームは横浜商戦の反省を糧に、攻守の細部を追求。夏に向けてのアップデートを図っている。田中主将は「闘争心を前面に出して、夏に勝ち上がっていきたい。悔いのない戦いをみせるために日々の練習から全力を尽くしていく」と気持ちを込める。選手たちは、春の敗戦を強さに変えて夏の舞台へ向かう。白山は、戦国・神奈川で下克上を起こしていく。

 

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