夏だ!祭りだ!翔陵だ!!
50年ぶりの甲子園へ
秋ベスト8、春ベスト16の藤沢翔陵。チームにとっては、クライマックスとなる夏がいよいよやってくる。
■接戦を勝ち切るDNA装備
夏に強さを発揮するチームだ。2021年夏にはベスト4へ進出、昨夏にも5回戦で桐光学園に競り勝ちベスト8へ勝ち上がっている。ゲーム終盤にみせる一気呵成の攻撃は圧巻。接戦を勝ち切るDNAは、日々の練習によって養われている。今年のチームは、昨夏の主軸6選手が残る世代だった。しかし、秋の準々決勝では横浜創学館に対して何もできないままに1対9で完敗。チームはゼロからの出直しを図った。川俣浩明監督「昨夏の結果は先輩たちの力。その結果に、あぐらをかいてしまったら先がない。昨夏の結果はアドバンテージと考えるのではなく、もう一度ゼロからやらなければいけない」と説く。自分たちの立ち位置を理解した選手たちは、冬に心技体を鍛えて春、夏への準備を進めた。
■チームワークと気迫で勝負
チームを指揮する川俣監督は、藤沢商(現藤沢翔陵)出身の熱血漢。ロッテ、阪神でのプロ経験を活かした的確な指導で、選手たちを鍛え上げていく。川俣監督と選手たちの情熱によって、藤沢翔陵はいくつもの夏のミラクル劇を演出してきた。勢いに乗ったときの迫力は神奈川随一。スタンド一体となった戦いがチームの矜持だ。川俣監督は「藤沢翔陵は、技術に加えてチームワークと気迫で勝負するチーム。どんな相手でも粘り強く守っていけば勝機は巡ってくる。神奈川は夏祭り。一人でも多くの選手たちにお祭り男になってほしい」とエールを送る。
■『和力』を武器に甲子園へ
チームの軸となるのは、昨夏からプレーする攻守の要・玉城巧望主将(3年=内野手)。昨夏に横浜の主将を務めた玉城陽希(現日体大)の弟だ。エースとしてマウンドに上がるサウスポー福田京佳(3年)は、コーナーワークと投球術に長けた神奈川屈指の技巧派。さらに打撃は、主砲・梅澤蒼空(3年=内野手)、勝呂勇哉(3年=捕手)、菊地優太(3年=外野手)が勝負強さを発揮する。春は4回戦で、藤嶺藤沢に1対3で惜敗。選手たちは、あの悔しさを糧に夏へ乗り込む。玉城主将は「チームスローガンである『和力』を武器に、一戦一戦、勝ち上がって甲子園へ行く。翔陵魂をみせていきたい」と力を込める。藤沢翔陵の「夏祭り」が始まろうとしている。(7月7日現在)