2015年に野球部が誕生、一歩ずつ成長
2023年秋は予選2勝1敗で県大会出場
〜勝ち負けが全てではないけれど、やっぱり勝ち負けが全て。でも、勝ち負けではない〜
2015年に野球部が誕生した中大横浜。予選初勝利、春・秋県大会出場など着実に進化を遂げるチームは、悲願の県大会初勝利を目指して突き進む。
■進学校の野球を構築する
野球部の土台が確立されてきた。2014年の高校男女共学化に伴い、翌2015年に野球部が誕生した。2017年秋の地区予選で公式戦初勝利を果たすと初の県大会出場。チームは2018年春・秋にも県大会へ出場するなど着実に進化。コロナ禍は練習が制限されるなど難しい時間が続いたが、部員たちは増加。文武両道を貫くスタイルが浸透、現在は3学年合わせて部員30人を越えるチームにまで成長した。今秋の地区予選では川崎北に屈したものの霧が丘、連合に勝利し2勝1敗で予選突破。県大会では市ケ尾に敗れて勝利は逃したが、春・夏へ向けて確かな手応えをつかんだ。練習グラウンドにはさらなる活気が生まれ、選手たちの士気も高まっている。
■新しい野球部のカタチ
新鋭チームを指導するのは、元Y校のエース髙良祐太郎監督だ。大学卒業後に教員となり2017年に中大横浜へ。2018年4月から指揮を任されている。就任当初は野球部としての土台がなかったことからトップダウンの指導だったというが、現在は生徒の主体性を活かしたボトムアップに移行。選手たちは日々の練習のほか、ミーティングを多く実施し野球をテーマにした課題解決プレゼンテーションに取り組むなどグラウンド内外で野球道を追求している。今夏からは、県内名門チームを指導するなどの実績を持つアスレチックトレーナー松山航氏を外部講師として招くなどスタッフも充実。「脳トレ」なども組み込みながら心技体の成長を促している。髙良監督は「高校野球を取り巻く環境が変わっていく中で過去の固定概念を払拭し、新しい野球部を目指している。選手と一緒に学んでいきたい」と寄り添う。
■夏の勝利を目指して
今季のチームは、1年生から試合出場していた選手も多く、経験値の高い集団。中西巧主将(2年=外野手・投手)を攻守の軸にして、力のある選手が揃っている。打撃陣は、1番・田村凜空(2年=外野手)、3番・磯貝龍志(2年=内野手)、4番・中西主将、5番・日俣和人(2年=内野手)が力強い打球を飛ばす。磯貝は今夏1回戦でホームランを放つなど実績を残した。投手陣は、制球力で勝負する右腕・勇龍之介(2年)、日大三で甲子園出場を果たした松藤孝介(現桜美林大)の弟・遼太(1年)、芹田拓海(2年)、中西主将らがマウンドへ上がる。現在は2年生14人、1年生7人が学年の枠を超えて切磋琢磨。来年度入部の中学3年生も練習に合流している。一丸となるチームが目指すのは夏初勝利。これはチームが進化するための試練だ。中西主将は「県大会で勝てていないのが現実。チームとして壁を越えることで新しい歴史をつくっていきたい」と力を込める。