2度の選抜出場の実績を誇る伝統校
春予選敗退から再起へ「リスタート」
過去に2度の選抜出場の実績を誇る伝統校・鎌倉学園。今春の予選敗退という、思わぬ結果になったチームは夏にすべてを懸けて戦っていく。
■2018年夏、2020秋に甲子園へ迫る
鎌倉学園は1962、1969年に選抜出場を果たした実績を持つ。近年では2018年夏の南神奈川大会で決勝へ進出した。さらに2020年秋の神奈川県大会で進撃をみせると、準々決勝で桐光学園、準決勝で桐蔭学園に勝利して決勝へ進出。決勝戦では東海大相模に屈したが、堂々の準優勝で関東大会へ出場。関東大会では1回戦で昌平(埼玉)に勝利して選抜出場確定まで“あと1勝”に迫ったものの、準々決勝で専大松戸(千葉)に敗れて関東ベスト8。52年ぶりの選抜出場は果たせなかったが、伝統復活にふさわしい戦いぶりをみせた。2018年夏、2020年秋に甲子園へ迫ったチームは、50年以上の“時空”を越えて復活を誓う。
■春予選敗退を糧に夏へ
今季のチームは、昨秋1回戦で平塚学園に2対9で敗れた。再起をかけて冬の厳しいトレーニングを乗り越えた選手たちは、自信を胸に春予選へ臨んだ。藤沢清流、平塚湘風の3チームブロック(1チームのみ予選通過)に入ったが、藤沢清流との激闘に13対14で敗れてグループ2位。選手たちは涙を流して、予選敗退という結果を受け止めた。武井仙太郎主将(3年=内野手)は「冬にしっかりメニューをこなして自信を持って春予選に入ったが、実際の試合で自分たちの力を発揮することができなかった。チーム、選手に力はあるので、いかに発揮するか。そのためには毎日の練習に、公式戦に近い緊張感で取り組んでいく必要がある」と日々の練習に向き合う。このままで、終わるわけにはいかない。
■最後の夏へ向けて全身全霊
チームは、めきめきと力を伸ばしている。チームの軸は、昨夏もレギュラーとして出場していた大型ショートストッパー・武井主将と、春予選で2本のホームランを放った高橋勇太(3年=内野手)の二人。パワーと勝負強さを備えるクリーンアップがチームの鍵を握る。春に調整が遅れてしまった投手陣は、技巧派左腕・若松虎太朗(3年)、最速130キロ右腕・神蔵皓世(3年)、威力と制球力を備えた面本和輝(2年)らが安定。しっかりとゲームを組み立てられるようになってきた。奥永悟生(3年=外野手)が守備と機動力でチームのアクセントとなる。 竹内智一監督は「春予選では結果が出なかったが、選手たちの力は十分にある。悔しさを糧にした選手たちが夏にどんな戦いをみせてくれるか楽しみ。彼らが積み重ねてきたことが夏につながっていくと強く信じている」と信頼を寄せる。春予選敗退から再起へ「リスタート」を図ったチームは全身全霊で日々の練習に取り組み、夏の舞台へ向かう。