武相:ベスト4敗退も古豪復活の福音
横浜:奥村凌のサヨナラ打で決勝進出

横浜が神奈川大会準決勝で武相に2対1でサヨナラ勝ちした。互いの伝統とプライドがぶつかる激闘は1対1で9回まで進み、最後は横浜が勝利をたぐり寄せた。

■武相 春県優勝の実力を証明 

武相は春県大会で42年ぶりに優勝し、1968年以来の甲子園出場を狙って大会に乗り込んできた。春県優勝を自信にしつつも夏へ向けて謙虚な姿勢で投打の強度を高めてきた。春の結果は偶然ではない。武相は、自分たちの力を証明するためにも勝ち上がる覚悟だった。5回戦では立花学園に6対0、準々決勝では横浜隼人に10対1で完勝。堂々たる戦いで準決勝・横浜戦に駒を進めた。武相は先発の左腕・八木隼俊が安定した立ち上がりをみせると2回に1点を先取して4回まで1対0でゲームを進めていった。武相スタンドの重低音が、選手たちの背中を押した。

■横浜投手陣は武相打線を抑えて勝機

対する横浜は5回に阿部葉太のタイムリーで1対1の同点へ。6回にはエース奥村頼人から織田翔希へつないで武相打線を封じていく。横浜投手陣は強打の武相を3安打に抑えて、チャンスの糸口を与えない。武相の5番までの上位打線はノーヒット。2番手の織田は一本のヒットも許さない完璧な投球で打線の援護を待った。そして1対1で迎えた9回裏に二死から峯大翔がヒットで出塁すると、2つの四球で満塁の場面を迎えた。そこへ奥村凌大がレフトへサヨナラヒット。1対1で9回まで進んだ、息詰まる投手戦にピリオドを打った。横浜と古豪武相との戦いは、最後まで見応えあるバトル。どちらが勝ち上がってもおかしくない名勝負だった。

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