国士舘前監督・永田昌弘氏が指揮官就任
激戦区・西東京の勢力図に“異変”あり
明星は12月6日、国士舘前監督・永田昌弘氏が野球部監督に就任することを発表した。「府中から甲子園へ」を合言葉に初の甲子園出場を目指す。
■永田イズムをチームに注入
サプライズなニュースだった。西東京で存在感を示してきた明星が、新たな指揮官に国士舘前監督・永田氏を招へいしたのだ。永田監督は、国士舘時代に春夏通算10度の甲子園出場を成し遂げた西東京レジェンド指揮官。2021年度で国士舘監督を勇退し、今春からは妻が経営するパン店を手伝っていたという。野球から離れて約1年半。他校からの誘いもあったというが、チーム強化を目指す明星サイドから熱心なオファーを受けて快諾。高校野球のグラウンドに戻ってきた。永田監督は「やっぱり自分の居場所はグラウンド。人生最後のチャレンジと思ってすべてを伝えていきたい」と新天地に立つ。チームは石山敏之元監督らがコーチとしてバックアップ。伝統を継承しながら永田イズムを注入していく。
■「本気度」と「勝利欲」が鍵
新生・明星が目指すのは「府中から初の甲子園出場」だ。過去の西東京の歴史において府中市から甲子園出場を果たしたチームは出現していない。明星は他部活と共用ではあるものの校内にグラウンドを持ち練習環境は整っている。永田監督は「プレーするのは監督ではなく選手たち。選手たちが向上心を持って本気で勝ちたいと思えるかがすべて。本気になれば必ずチャンスは巡ってくる」と説く。新指揮官が構築するのは、国士舘時代と同じ「ピッチャーを中心とした守りの野球」だ。2024年春からは低反発の新基準バットが採用されるが、「守りの野球」が完成すれば十分にチャンスはある。
■甲子園を現実目標に
新生・明星をまとめるのは、攻守に堅実なプレーと声が武器の大澤健人主将(2年=内野手)。大型サウスポー相馬大輝(2年)が投打の二刀流として主軸を担い、センス抜群の目黒永人(2年=内野手)、坂野凌介(1年=捕手)らが傍を固める。練習を見守る永田監督は選手たちの適性を把握して、コンバートを含めて春・夏へ準備を進めていく。攻守のキーマン目黒が「永田監督が基礎からしっかりと教えてくれるので手応えがあります」と話せば、大澤主将は「甲子園が夢ではなく現実目標になるように努力していく。本気の姿勢をみせていきたい」と力を込める。明星の新たな戦いはすでに始まっている。