高校通算21本塁打の大型遊撃手
東京ヤクルトスワローズ4位指
健大高崎の内野手・田中陽翔がプロ野球ドラフト会議で東京ヤクルトスワローズから4位指名を受けた。攻守に大きなポテンシャルを秘めるショートストップがプロの世界でのチャンスをつかんだ。
ミート力を活かした力強いバッティングと、ダイナミックな守備が特長の遊撃手だ。高校通算21本塁打の長打力も魅力で、今春の選抜全国制覇にも貢献。今夏は計10安打に加えて、2本のホームランを放って9年ぶりの夏甲子園出場の原動力となった。青栁博文監督は「攻守のバランスの良さに加えて、サイズ感も魅力の一つ。プロの世界で進化する可能性を秘めている」と評価していた。
父親は元プロ選手(ロッテ・ヤクルト)の充氏。身長183センチ83キロの恵まれた身体能力と攻守のセンスを備えた田中は当初、大学進学が決まっていた。しかし、夏大会後にプロ志望を表明。反対する親を説得してプロ志望届を提出した。「高卒でプロの舞台でチャレンジしたかった」
ドラフト会議当日は、学校の食堂でドラフト候補だったチームメート箱山遥人と共に進行を見守った。4巡目でヤクルトから指名されると、驚きの表情をみせてモニターを確認した。
「ギリギリのところで志望届を出した中で指名してもらって嬉しかった。(指名されるとすれば)6位とかかなと思っていたが、4位だったので驚きがあった。目標は2000本安打以上、ゴールデングラブ賞です。チームから愛される選手になりたい」
田中は指名後、報道陣の求めに応じて色紙に「2000本安打」という目標を書いてプロへの決意を示した。その後にはヤクルトのユニホームを着て記念撮影、チームメートに担がれて祝福を受けた。「健大高崎の青栁監督のもとで3年間プレーして多くを学ぶことができた。選抜で日本一という結果を残せたことにも感謝している。チームメートのためにもプロで頑張っていきたい」。健大高崎からは10人目のプロ野球選手誕生となった。