プロ注目のエース磯貝を軸に投打充実
21年ぶりの甲子園へチーム団結

4度の甲子園出場実績を持つ横浜商大高。投打の力を蓄えるチームは、虎視眈々と甲子園出場を狙っていく。

■昨夏は初戦で惜敗し「涙」

昨夏の1回戦が脳裏に焼き付いている。投打のバランスが整っていた横浜商大高だったが、くじ引きの巡り合わせによって初戦で鎌倉学園と対戦した。強豪同士の激突は1回戦屈指の好カードとなった中で、壮絶なシーソーゲームになっていった。横浜商大高は1回表に3点を先制する幸先良いスタート。2年生左腕エース礒貝駿乃介(現3年)が先発したが、序盤に不安定となり2回までに4失点。その後は立ち直ったものの、打線が援護できずに結果的に4対8で敗れた。

■最速145キロのサウスポー磯貝

今春はサウスポーエース磯貝が、急激な進化をみせている。最速は145キロでアベレージも140キロ前後。練習試合などにはプロ野球スカウトが足を運び、成長を見守っている。春予選では三振の山を築き、春大会1回戦・小田原戦では5回参考試合ながら無安打無得点試合を達成した。中学時代は怪我に苦しみ実績を伸ばせなかったが、横浜商大高からの話を受けて入学。フィジカル強化を図ったことで才能が開花、神奈川を代表する投手へ成長した。磯貝は「去年の夏は自分の実力不足で負けてしまった。今年は、自分のピッチングでチームを勝たせたい」と静かな闘志を燃やす。

■昨年の先輩たちの分まで戦う

昨秋は3回戦で桐蔭学園に4対8で屈した。巻き返しを誓うチームは、鈴木健治主将(3年=内野手)が背中でチームを牽引し、小林和正(3年=外野手)、三宅嵩悟(3年=内野手)、本木万尋(3年=内野手)たちが役割を果たす。今春はシード獲得が目標(4月8日現在)。そして夏は甲子園出場を目指す。鈴木主将は「エース磯貝を軸にした戦いで神奈川の頂点を目指す。昨年の先輩たちの分まで戦うつもり」と日々の練習から情熱を注ぐ。八木澤辰巳監督は「今年は去年の悔しさを味わった選手が残っている。悔いのない時間を過ごして、結果をつかみ取ってほしい」と語る。
 横浜商大高は2003年夏以来、21年ぶりの甲子園出場を目指してマスト(帆)を広げる。

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