春夏通算14度の甲子園出場の伝統校
昨夏はベスト8、さらなる飛躍のシーズンへ

春夏通算14度の甲子園出場を誇る伝統校・高崎商。昨夏5年ぶりにベスト8進出を果たしたチームは今夏も進撃を狙っていく。

■2015年夏、2018年夏にベスト4進出

高崎商は春夏通算14度の甲子園出場を成し遂げてきた県立伝統校だ。2006、2009年に選抜へ出場したほか、2012年夏にも甲子園出場を決めている。2015年夏、2018年夏にも私学趨勢の群馬大会で意地をみせてベスト4へ進出した。2015年は桐生第一に0対1、2018年は健大高崎に3対4で惜敗したが、大舞台で力を示して甲子園へ近づいている。以降はコロナ禍などの影響を受けて厳しい戦いが続いているが、ノーシードで挑んだ昨夏は3回戦でシード明和県央に勝利してベスト8へ進出。準々決勝で樹徳に屈したものの復活の鐘を鳴らした。

■秋・春の悔しさを力に変えて

今季のチームは、ゼロからの始動となった。前チームは3年生主体で、主力でプレーしたのは小林壱成(現3年=投手・内野手)のみ。多くのポジションが入れ替わった中でチーム基盤を構築するのに時間を要した。昨秋は初戦で伊勢崎工に勝利したが2回戦で新田暁に8対9で敗れた。冬を乗り越えて進化した今春は1回戦で渋川工に勝利し2回戦で桐生第一と対戦したが1対11で力の差を見せつけられた。古里羽琉主将(3年=外野手)は「秋の新田暁戦は自分たちの力を発揮できずに、春は桐生第一相手に何もできなかった。秋・春の悔しさを力に変えて夏へ挑みたい」と巻き返しを誓う。

■1年生ルーキーがチームに刺激

 今春、チームには大きな刺激が加わった。1年生23人が入部したことによってメンバー争いが勃発し、チームの底上げにつながっている。1年生ルーキーの野口剛玖(捕手)は春大会後に、スタメンマスクをかぶり4番を任されるなど大きな期待が懸かる。2年生では、180センチ80キロの大型打者・原田絢心(内野手)、攻守にパワフルなプレーをみせる真下賢心(内野手)が成長をみせる。投手陣は、石井希那和(3年)、小林が安定感あるピッチングをみせて夏への準備を進める。キーワードは「スピード&パワー」。堤悠輝監督は「まだ結果は出ていないが選手たちの力は伸びている。培った力のすべてを発揮していけば十分に戦える。今年は新基準バット導入で接戦が増えることが予想される中で、粘り強く戦っていきたい」と語る。昨夏ベスト8の高崎商は、己を超えていくことで聖地への道を照らしていく。

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