神奈川県、関東、明治神宮で“秋三冠”
今春の選抜出場確実、優勝候補筆頭へ
関東代表として明治神宮大会に出場した横浜が、11月25日の決勝戦で広島商に4対3で勝利し27年ぶり2回目の優勝を飾った。神奈川県大会、関東大会、明治神宮大会で優勝し“秋三冠”を達成したチームは、今春の選抜出場が確実。2025年は、横浜が強さを発揮するシーズンになりそうだ。
「松坂世代」以来27年ぶり2回目の優勝
投打一丸で秋の神宮大会制し全国頂点
横浜が27年ぶりに明治神宮大会で優勝を果たした。神奈川県、関東、明治神宮の3大会を制したチームは、一戦ごとに力強さを増して秋の全国頂点にたどり着いた。明治神宮大会で栄冠をつかみ取った横浜は、選抜、夏甲子園での全国3連覇が狙えるポテンシャルを秘める。明治神宮制覇は、新たな伝説の始まりかもしれない。
■神宮球場を舞台に真価を発揮
横浜は、秋県大会決勝で東海大相模に勝利し優勝、県1位で関東大会へ進出した。関東大会では関東強豪に競り勝って決勝へ駒を進めると、昨春の選抜優勝校・健大高崎に延長タイブレークで勝ちきって関東の頂点に立った。各地区優勝校に与えられる明治神宮大会出場権を獲得したチームは、舞台を保土ケ谷球場(関東大会も地元神奈川開催)から神宮球場に変えて決戦へ挑んだ。初戦となった準々決勝・明徳義塾戦では、1年生本格派右腕・織田翔希の2安打完封劇で2対0と勝利。続く準決勝・東海大姫路戦では先発したエース奥村頼人から織田、さらに奥村頼の再登板で延長タイブレークを3対1で制し決勝へ進んだ。決勝・広島商戦では、織田が先発し9回まで投げたがミスでピンチを迎えて4対2の場面で奥村頼がストッパー登板。1点を許したものの最後の打者を三振で打ち取り、左手を高く上げてみせた。
■春夏の甲子園制覇への通過点
平成の怪物と呼ばれた豪腕・松坂大輔の在学時以来(1997年)の27年ぶり2回目の優勝。阿部葉太主将は「新チームが始動してから苦しい試合をみんなで乗り越えることができた。1章は神奈川県大会優勝、2章は関東大会優勝、3章は明治神宮大会優勝だった。夏に悔しい思いをしてきたので、この優勝で3年生に恩返しすることができた」と笑顔をみせた。村田浩明監督は「広島商さんの堅い守りによって追加点を奪うことができずに苦しい展開になった。最後はピンチを迎えたが、奥村(頼人)が耐えてくれて何とか守り切ることができた。最後の一球は価値あるピッチングだった。選手たちは難しい中でもがきながら強くなっていった」と総括した。秋の全国制覇は、ゴールではなく追加点。横浜は春夏の甲子園制覇を目指して邁進していく。