
スカイブルーで染まった応援スタンド
21世紀枠選抜初出場、永遠に刻まれる歴史
横浜清陵が第97回選抜高校野球大会に初出場。神奈川県立代表として、そして21世紀枠の代表として、新たな一歩を踏み出した。
■夢にまで見た甲子園の舞台
甲子園のアルプススタンドがチームカラーのスカイブルーに染まった。選手たちはその壮大な光景をバックに、シートノックに入った。夢にまで見た甲子園の景色。それは想像以上の場所だった。選手の鼓動と連動するかのように揺れるスタンド。アルプスの一体感は、どの出場校にも負けていなかった。初回、スカイブルーだったスタンドが、オレンジ一色に変わった。オレンジは県相模原のチームカラー。1月24日に死去した県相模原・佐相眞澄前監督(享年66)へ哀悼の意を示すためだった。天国へ旅立った日は、横浜清陵に選抜出場の吉報が届いた日だった。あれから約2カ月、横浜清陵はついに聖地にやってきた。
■神奈川県立の代表として
「県立、私立は関係ない」。それが横浜清陵のポリシーだ。グラウンドでは、立場や学校の違いは関係ない。甲子園のグラウンドに立つその日、横浜清陵は神奈川県の代表として戦った。対戦相手は広島商。昨秋の中国大会を制して、明治神宮大会で準優勝した実力校だ。横浜清陵はあくまでもチャレンジャーとして自分たちの野球を貫いた。先発は右腕・小原悠人。立ち上がりは悪くなかったが、甲子園の緊張感が守備の乱れを誘発し2失点を喫した。3回には山本康太のヒットでチャンスを広げ、長谷川悠人のスクイズで1点を返した。だが3回の投手交代のタイミングでピンチを抑えきれずに、再び2点を追加されてしまった。
■かけがえのない経験
選手たちは流れを止めることができなかった。4回に3失点して点差を広げられると、2対10で試合を終えた。決して戦えていないわけではなかったが、四死球とエラーが響いた。それでも選手たちは最後まで全力プレーを続けて、大声援に応えた。野原慎太郎監督は「序盤の流れを変えることができなかった。そこは自分を含めてチームの力不足だった」と振り返った。
結果は敗戦だったが、選手たちは選抜発表から開幕まで学校や地域から多くの支援を受けた。そして甲子園でプレーするというかけがえのない経験を得た。横浜清陵のミッションは、今後の神奈川の大会でこれらの経験を県立勢に伝えていくこと。選手たちが甲子園で見せた戦いは、横浜清陵の歴史として永遠に刻まれる。
