今春予選で鎌倉学園に勝利し予選突破
「本気の野球」で目指すベスト16

アレセイア湘南が今春の難関地区予選を突破して県大会出場を決めた。野球を全力で楽しみながら勝利を追求するチームは「本気」の意味を追求していく。

■激戦の予選ブロックを勝ち抜く

アレセイアが今春、過酷な地区予選ブロックを勝ち上がって県大会チケットをつかんだ。予選は藤嶺藤沢、鎌倉学園と同じ3チームブロック。ブロック2位が代表決定戦へ臨むシステムで、決して簡単な道ではなかった。藤嶺藤沢に屈したものの、鎌倉学園との2位争いに挑んだ。激しいシーソーゲームとなった中で8回表に9失点して12対18となったが、同裏に6点を奪い返す。9回表にも2失点して窮地となったが執念で同点に追いつくと延長タイブレークで21対20と勝ち切った。そして鎌倉との代表決定戦を9対5で制して予選を突破してみせた。春予選突破は選手たちにとって大きな自信となった。

■「本気の野球」が選手を変えた

野球が好きな選手たちの集団だ。選手たちは野球を全力で楽しみながら、創意工夫で心技体を強化していく。今季のチームで、昨夏からのレギュラーは石井豪主将(3年=外野手)のみ。経験値が乏しかった中で新チーム始動から取り組んできたのは「本気の野球」。選手は本気の意味を追求し、自分たちで行動するようになっていった。村山雄一監督は「シードクラスのチームに勝つためには選手自らが考えていかなければいけない。向上心が芽生えたチームは選手たちの声が大きくなり、それぞれが自立していった」と話す。秋県大会は1回戦で川崎工科に勝利、2回戦で立花学園に2対3で惜敗したが善戦と言える内容だった。選手たちは敗戦を糧にして冬のトレーニングに励み、心身共に進化を遂げた。

■豊富な投手陣を軸に夏ベスト16以上へ

進化を遂げるチームを牽引するのは、攻守の要・石井主将。リードオフマンとしてチャンスメークし、勇敢なプレーでチームを鼓舞していく。チームの土台になるのは豊富な投手陣。技巧派エース和田朗実(3年)を中心に、威力あるストレートを投じる田中遼太(3年)、中島蒼夏(2年)とタイプの違うピッチャーが揃う。アメリカ人の父を持つ、身長188センチの大型右腕ハリス・ハロルド・敢(2年)のフィジカルポテンシャルは湘南エリア屈指。今後の進化が楽しみな逸材だ。投手陣をリードする強肩強打のキャッチャー杉本陸(3年)の存在感も光っている。春予選を突破したチームだが、それは通過点。士気上がるチームは春の結果を糧に夏の飛躍を目指す。「自分たちで考える野球で、過去最高ベスト32を超えていきたい」(石井主将)。活気あふれるチームは春県大会1回戦で横浜南陵、2回戦で大和を撃破し3回戦出場を決めた(4月10日現在)。アレセイアは今夏のダークホースとなる。

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