
野呂雅之監督が今夏限りで勇退
チーム一丸で迎える「最後の夏」
春夏5回の甲子園出場実績を持つ桐光学園は、約40年にわたりチームを指揮した智将・野呂雅之監督が今夏限りで勇退することになった。選手たちは監督の花道を飾るため静かな闘志を燃やしている。
■夏に向けて大きなポテンシャル
春1回、夏4回の甲子園出場を誇る桐光学園。松井裕樹(パドレス)を擁した2012年夏以来、甲子園には到達していないが2023年秋には県大会で優勝するなど実績を残してきた。近年では東篠大樹(ロッテ)、中川颯(DeNA)、渡部遼人(オリックス)、森駿太(中日)らのプロ選手を輩出。強豪ひしめく激戦区・神奈川高校野球で確固たる地位を築いてきた。昨夏は準々決勝で横浜に敗れてベスト8。昨秋は3回戦で藤沢翔陵に敗戦。今春大会は初戦(2回戦)で大師に1対2で惜敗したが、白鷹悠人主将(3年=内野手)、加賀滉太(3年=投手)ら経験値の高い選手たちが揃うチームは、夏に向けて大きなポテンシャルを秘めていた。
■指揮40年・野呂監督が勇退
5月下旬、チームを40年以上も率いる野呂監督が今夏限りで勇退することが明らかになった。早稲田実から早稲田大へ進学し、大卒の1984年に桐光学園教員となると野球部監督に就いた。創立間もない学園で野球部もゼロに近い状況からのスタートだったが、2001年に選抜初出場を果たすと神奈川強豪と呼ばれるまでに成長させた。2012年までに4度の夏甲子園出場。同年には松井裕樹(パドレス)を擁して甲子園ベスト8となった。「選手、保護者、OB、学校関係者など多くの人に恵まれ、支えてもらった40年だった」(野呂監督)。今年64歳の指揮官は健康面などを考慮して、今夏を最後にユニホームを脱ぐことを決断したという。
■13年ぶりの甲子園へ一致団結
野呂監督は5月中旬の練習前ミーティングで選手たちに勇退を報告した。選手たちにとっては指揮官と共に戦う最後の夏。白鷹主将は「ミーティングで監督から話があったときは寂しかった。野呂監督の最後の夏を、有終の美で飾りたい。絶対に優勝して甲子園へ連れていきたい」と気持ちを込める。昨年度卒業で中日入りした森は「練習で泥だらけになるなど選手のために尽くしてくれた。野呂監督の指導があったから今の自分がある」とビデオメッセージで感謝を伝えた。チームは攻守の要・白鷹主将、エース加賀、佐々木佑羽(3年=外野手)、中里心温(3年=外野手)らが軸となり、周東希虎(1年=内野手)、小田倉優真(1年=内野手)の実力派ルーキーが加入。13年ぶりの甲子園へ向けて一丸となる。