2014年以来の甲子園へ団結
昨秋の県大会、1年生大会のダブル制覇
昨秋の県大会を制した白鷗大足利。関東大会はベスト8に終わり選抜出場の可能性が薄れたが、1年生レギュラーも多い若きチームは夏へ向けて団結している。
■交流戦・決勝で高根沢に敗戦
交流戦の敗戦がチームを変えた。新チームのスタートとなった交流戦・決勝で高根沢に5対7で敗戦を喫した。自分たちの未熟さに気付いた選手たちは、すべての取り組みを見直して県大会へ臨んだ。1回戦で真岡工、2回戦で大田原、3回戦で真岡に勝利しベスト8へ進出、準々決勝では作新学院と対戦した。僅差が予想された中で4回まで2対0。中盤から終盤にかけて打撃のギアを上げていくと6対1で迎えた8回に一挙5点を奪い、11対1の8回コールドで夏10連覇の相手を寄り切った。勢いに乗ったチームは準決勝で宇都宮南、決勝で文星芸大附に競り勝って秋の優勝旗を手にした。6試合の総得点は42。打撃を前面に出した戦いだった。
■関東大会ベスト8では満足できない
2014年春以来の選抜出場権を求めて関東大会へ乗り込んだチームは、勢いもろとも1回戦で藤代(茨城)相手に打ちまくり、9対1の7回コールドで勝利した。甲子園に近づいたと思われたが、ベスト4進出をかけた準々決勝・山梨学院戦では自慢の打線が封じ込められた。相手投手の140キロ超のストレートと落差のある変化球に、打線が沈黙。散発5安打に抑え込まれると6回までに毎回失点して点差をじわじわと広げられた。そして0対9の7回コールドで無念の撤退となった。藤田慎二監督は「関東ベスト8は評価できるが、準々決勝の山梨学院戦ではすべての面で劣っていた。甲子園に行くためには何が必要かをまざまざと教えられた」と語った。
■走攻守すべてでチーム改造
チームは、今夏に向けて走攻守すべてで力を蓄える。秋の頂点に立ったが、それが実力とは考えていない。藤田監督は「秋はコロナの影響もあり、どのチームも準備不足だった。春、夏は簡単な戦いにはならない」と展望する。実力校・作新学院、文星芸大附が夏へ巻き返しをかけてくるのは確実で、一筋縄にはいかない。チームは谷澤勝斗主将(2年=一塁手)、齋藤祥汰(2年=投手)を軸にレベルアップを図るべくトレーニングに励んでいる。レギュラーの半数が1年生のチームだが、オフシーズンは学年の枠を越えたポジション競争が勃発し、チームの底上げにつながっている。
谷澤主将は「攻撃型のチームだが、関東大会では好投手相手に手が出なかった。甲子園レベルの投手を打ち崩す打力をつけていく。秋は優勝できたが自分たちはチャレンジャー、今年の夏は作新学院の連覇を自分たちが止めたい」と魂を込める。昨秋の県大会、1年生大会をダブル制覇し士気上がるチームは、挑戦者として夏へ突き進んでいく。