【東海大相模 野球部】 「奪還」 #東海大相模

春夏通算5度の全国制覇誇る名門
6度目の全国制覇へ「縦縞の行進」

 春夏通算5度の全国制覇を誇る東海大相模は、昨夏後に門馬敬治前監督が退任し原俊介監督となった。元巨人のOB指揮官は、選手たちと共に夏の初陣を迎える。

 

■今春に実質の連勝記録ストップ  

キーワードは「奪還」だ。「無敵艦隊」と言われた東海大相模は2019年春大会から2021年春大会まで県大会41連勝で6季連続優勝を成し遂げた、2021年春には選抜甲子園で全国制覇。さらに2021年夏も2回戦から5回戦まで勝ち上がり連勝を45へと伸ばした。しかし、準々決勝を控えた状況でコロナ集団感染により試合を辞退。甲子園春夏連覇は夢と消えた。夏大会後、門馬敬治前監督(2022年秋から岡山・創志学園監督就任)が退任。元巨人で、東海大静岡翔洋を指揮していた原監督が指揮を執ることになった。新チームの選手たちは2021年秋大会を制覇、コロナ辞退の夏をのぞけば連勝記録を伸ばしたことになる。しかし、今春は準々決勝で桐蔭学園に5対9で敗戦、実質の“連勝記録”がストップした。春大会後、選手たちは「王座奪還」を合言葉に夏へ向かった。

■昨秋から元巨人の原俊介監督が指揮  

新指揮官の手腕への期待は大きい。昨秋から母校に戻った原監督は、就任直後に秋季大会へ臨んだ。戦力も把握できていない状況だったが、選手の力を信じる落ち着いた采配によってトーナメントを勝ち上がり、準々決勝で日大、準決勝で横浜商大高、決勝で向上に勝利し秋の頂点に立った。原監督は東海大相模時代に大型捕手として名を馳せ、1995年ドラフト1位で巨人に入団。プロ8年目の2003年には68試合に出場した実績を持つ。2006年に現役を引退し、早大に入学し教員免許を取得した。その後、学生野球資格の回復認定を受けて2016年から静岡・東海大静岡翔洋監督へ。2021年秋に、母校に招へいされる流れとなった。原監督は「母校を任される責任はもちろん感じるが、それは選手には関係ない。選手に力を発揮させてあげることが監督の役割。縦縞のプライドを伝えながら、選手と一緒に新しい伝統を築き上げていきたい」とグラウンドに立つ。

■練習場に響く校歌、全国制覇への期待  

今夏も戦力は整っている。プロ注目のエース求航太郎(3年)を軸に庄司裕太(3年)ら投手陣は安定。打撃も武井京太郎(3年=外野手)をスイッチ役に、笹田海風(3年=内野手)、山内教輔(2年=内野手)らが打線に迫力を加える。秋、春に怪我で離脱中だった百瀬和真(3年=外野手)が戦列復帰するなど、再び頂点に立つための準備が進む。  東海大相模の選手たちは練習終了後、グラウンドで校歌を歌い上げて練習場をあとにする。「果てしも知らぬ平原に 相模の流れせせらぎて 天に星座の冴ゆるとこ これ我が母校我が母校」。縦縞のユニホームを身にまとう選手たちは、横浜スタジアムの決勝戦、そして今夏の甲子園で校歌を歌うために戦う。「先輩たちがずっと勝ち続けてきた中で自分たちは春に負けてしまった。この夏は神奈川のチャンピオンに返り咲いて、甲子園でもう一度全国制覇を目指す」(松山拓馬主将)。指揮官は代われどもチームの目標は変わらない。6度目の全国制覇へ、縦縞の行進は始まっている。

 

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