【駒込】  「100%勇気」

投打充実。野球が出来る喜びを体現
主将・松本を軸にベスト8以上を狙う

 2011年夏の東東京大会でベスト8進出を果たした実績を持つ駒込。グラウンドには選手たちの野球への意欲がみなぎっている。

■選手に寄り添う熱血監督  

駒込は2011年夏の東東京大会で芝浦工大附、日体大荏原、駒大高(当時は東東京)に勝利してベスト8へ進出。準々決勝では、鈴木誠也を擁する二松学舎大附と対戦して敗れたが一つの実績を残した。当時のチームを指揮した水谷浩延監督(帝京出身)が、今年4月に部長として復帰し、志賀健悟新監督と二人三脚でチーム指導を行う。志賀新監督は日大鶴ヶ丘出身。28歳の若き指揮官は、選手のやる気を引き出すかのように、ハツラツとノックを打ち込む。志賀監督の初陣となった今夏・東東京大会は3回戦で文京と対戦し6対7で敗れた。志賀監督は「監督力の差で負けたと感じている。あの敗戦は、生徒に申し訳なくて、いま思い返しても泣いてしまうくらい悔しい」と話す。熱血監督は、選手と共に勝利をつかむべく汗を流す。

■野球ができることに感謝  

2023年の夏へ向かうチームは、松本将吾主将(2年=内野手)がプレー面のみならず精神的な意味でも支柱だ。松本のプレーからは、キャプテンシーがみなぎり、彼の声がチームを勇気付ける。エースは、前チームでも主戦としてマウンドに立った國松凛太朗(2年)。威力あるストレートと大きく曲がるカーブが武器だ。打線は、室野井亮太(2年=外野手・投手)、加藤航史郎(2年=外野手)らパワーヒッターが揃う。チームのスローガンは「人として成長しながら、たくさんの経験を積み、恩返し出来るようにする」。選手たちは、野球ができることに感謝し、成長した姿を見せることで、保護者、学校、指導者に恩返しをする覚悟だ。

■冬の課題はフィジカル強化  

秋季都大会一次予選は、立志舎、総合工科の実力校と同じブロックになったが、立志舎に2対0、総合工科戦は9回表を終えて3対5と劣勢だったが、9回裏に3点を奪って逆転サヨナラ勝利、本戦出場を決めた。都大会1回戦では私学強豪・桜美林に対して真っ向勝負。1対5で敗れたが、大きな手応えをつかんだ。ベンチ一体となって戦う選手たちの姿からは、高校野球の原点が垣間見えた。チームは秋の課題となったパワー不足を解消するため、冬にフィジカル強化に取り組む。志賀監督は「どんな状況でも100%を出し切れる選手になろう」と熱く語りかける。松本主将は「秋は格上相手にも臆することなく戦うことができた。僕たちは自主的に練習に取り組めるのが強み。野球を本気で楽しみながら、春・夏ベスト8以上を目指していく」と拳を握る。新生・駒込は、2023年のダークホースになる。

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