【茅ケ崎北陵】「繋ぐ」

秋季県大会で進撃、ベスト16進出
「意識改革」と「環境整備」でチームが進化

 茅ケ崎北陵が秋季県大会で5年ぶりに予選突破し本戦へ出場。一丸となった戦いでベスト16進出を果たした。今季の選手たちは「繋ぐ」をスローガンに掲げて、北陵の新たな歴史を作っていく。

■Y校破って堂々のベスト16進出  

今秋、茅ケ崎北陵がトーナメントを駆け上がった。夏大会後に始動した新チームは2017年以来5年ぶりに予選を突破。初戦で足柄に9対5で勝利すると3回戦で、横浜商と対戦した。Y校優位と見られていたが、茅ケ崎北陵の先発の左腕・増山大馳(1年)が緩急をつけたピッチングでゲームを作ると、打線が奮起しゲーム中盤に得点を重ねて4対0とリードする。終盤にはピンチもあったが、増山が粘り強い投球で失点を許さずに4安打完封勝利を収めた。4回戦の日大藤沢戦では、相手の迫力に押されて1対8で敗れたが、堂々のベスト16進出となった。キーマンの森琉之介(2年=外野手)は「守備でしっかりと守れて、打線がつながった。秋ベスト16の結果に満足せずに成長していきたい」と来春を見据えた。

■意識改革と環境整備で進化  

転機は2021年春。山北で指揮を執り、夏秋ベスト16進出を成し遂げた久保寺晋也監督が着任。茅ケ崎北陵は新たなスタートを切った。指揮官は、チームに野心を植え付けると共に、選手の個性を磨いた。前チームの今夏も実力のあるチームになっていたが、大会直前のコロナ禍によりベストメンバーが組めずに消化不良に終わってしまった。新チームは前チームの3年生と比較して小粒だったが、それを補う団結力があったという。久保寺監督は「高い意識でしっかりと練習していけば結果がついてくることが分かった。ベスト16は一つの手応えになった」と話す。チームは練習開始の10分間を「環境整備」の時間と題して、練習場の掃除を行っている。それによって気付く力を養っているという。チームは「意識改革」と「環境整備」で進化していった。

■秋の進撃は単なるプロローグ  

今季のチームは、投打のバランスが整っている。打撃は、しなやかなフォームから鋭い打球を飛ばす県屈指のリードオフマン森がスイッチ役となり、相手の圧力をかけていく。古川幸太(2年=外野手)に、平出一康(1年=捕手)の主軸もチーム打撃でチャンスを広げていく。投手陣は、1年生でエースナンバーを背負う玉置絃十、Y校を完封した1年生左腕・増山、三國賢太朗(2年)が春の背番号1を争う。チームスローガンは「繋ぐ」。スター選手はいないが、全員で繋いでいくことで勝利をつかみ取る。小榑琢真主将(2年=内野手)が「このチームは試合終盤に力を発揮して最後に逆転できる。みんなの思いを繋いで春・夏はベスト16以上を目指す」と話せば、主砲・古川は「公立を引っ張る存在になって、北陵の新しい歴史を作っていきたい」と力を込める。秋の進撃は茅ケ崎北陵躍進のプロローグ。進化のストーリーは春・夏へ続いていく。

Pocket

おすすめの記事