【板橋】 「勝負心」

2017〜2019年夏は3年連続ベスト32
投打の軸が揃った「大型チーム」が下克上を狙う

 夏の東東京大会で確かな結果を残す板橋。いまの2年生たちの多くは今夏を経験。投打の軸が確立された「期待の世代」は、2023シーズンに結果を導くべく突き進んでいく。

■東東京のダークホース的存在  

いまや東東京のダークホース的存在だ。2020年3月までは校舎新築の影響で練習場が制限される状況だったが、2017〜2019年は3年連続で東東京大会ベスト32へ進出(4回戦)。2019年夏には2回戦で城東に勝利して金星を挙げるなど地力を蓄えてきた。いまの2年生は、近年の進撃を知って板橋へ入学してきた世代。今夏は、多くの2年生がレギュラーとしてプレー。3回戦では明大中野と対戦し、1対1で延長戦へ突入する激闘を繰り広げた。延長10回に1点を失って1対2で敗れたものの、その戦いは板橋の新たな歴史の1ページとなった。東東京屈指の強打者・堀口健人主将(2年=内野手)を中心とするチームは、強い覚悟を持って2023シーズンへ挑む。

■生徒一人ひとりと向き合いながら

 板橋は2022年夏まで指揮を執った柴﨑正太監督が今秋から助監督へ。渋谷国之監督が新たにタクトを振る。渋谷監督は、高校野球名門・報徳学園出身で大学卒業後に一般企業へ就職。だが高校野球指導の夢を追って教員の道へ。中学教諭、浅草を経て2021年春に板橋に着任した。浅草は、野球部員が一人だったが、連合チーム(浅草・かえつ有明・東京科学技術)で東東京大会に出場。部員が少ない中で選手たちと向き合い、多くを学んだ。そして板橋で新たなチャレンジに臨む。渋谷監督は「企業を辞めてから(監督になるまで)約15年の道のりでしたが、今は自分のことよりも生徒たちの成長がすべてです。生徒一人ひとりと向き合いながら、成長の後押しをしていきたい」と寄り添う。

■チームスローガンは「勝負心」

 2023夏へ向かうチームは、大型スラッガー堀口主将を軸に、投打の核となる選手が揃う。打撃陣は、広角に鋭い打球を放つ1番・鈴木翔太(2年=内野手)、パンチ力を秘める3番・村田伊輔暉(2年=外野手)がチャンスを作り、184センチ90キロの4番・堀口、192センチ108キロの5番・天野元へつなぐ。投手陣は、最速135キロのエース荒木慈陽(2年)を軸に、アンダースロー近藤煌士郎(2年)、二刀流・天野がマウンドへ上がる。秋は予選決勝で小平に惜敗し都大会出場を逃したが、チームのポテンシャルは十分。チームスローガンは「勝負心」。勝負への覚悟を決めて、これまで越えられなかったベスト16への壁を打ち破る。堀口主将は「勝負心を胸に選手全員でレベルアップしていく。東東京の頂点を取るために強い気持ちで春・夏へ挑んでいきたい」と力を込める。2023年、新生・板橋が真のダークホースになる。

おすすめの記事