「雑草軍団」春の神奈川頂点へ
豊田監督就任4年目で「復活の一歩」

 武相が神奈川県春季大会で進撃をみせて、42年ぶり6度目の優勝を果たした。復活を成し遂げたチームは、確かな自信を胸に夏の神奈川大会へと向かっていく。

■「全力疾走 全力発声」がスローガン

武相が強打を武器に接戦を勝ち上がった。1960年代に夏4度の甲子園出場を成し遂げた古豪。1968年夏を最後に甲子園からは遠ざかっている。復活を期す武相は2020年夏に、OBの豊田圭史監督に指揮を託した。豊田監督は、富士大(岩手)監督として北東北大学リーグ10季連続優勝を果たす一方で、山川穂高(ソフトバンク)、外崎修汰(西武)ら個性あふれる選手を育ててプロへ送り出している。そして母校再建のために神奈川へ戻ってきた。指揮官は「全力疾走 全力発声」をスローガンに、ゼロからの再出発を図った。

■決勝で東海大相模を撃破

今年の選手たちは、豊田監督を慕って武相の門を叩いたプレーヤー。春大会は初戦となった2回戦で、相洋に3対2で競り勝って勢いに乗った。3回戦では立花学園、4回戦では横浜商に勝利してベスト8へ進出した。準々決勝では日大藤沢に6対5で勝ちきり、ついにベスト4へ到達。準決勝の向上戦では、金城楽依夢(3年=外野手)が勝ち越しのホームランを放つなど、8本の長打を放って6対5で逃げ切った。決勝戦では、東海大相模相手に一歩も引かない戦いをみせて真っ向勝負。15安打で9点を奪って9対8で勝利、春の優勝旗を手にした。

■春の結果を夏へつなげる

春の頂点に立った武相は、関東大会へ出場し、復活の福音を鳴らした。豊田監督は「うちにスターはいない。雑草軍団としてスタンドの応援を含め、全員で戦った結果が春の優勝につながった。甲子園へ行くためにワンランク上のチームを目指していく」と語った。仲宗根琉空主将(3年=内野手)は「古豪と言われているが、これからは強豪と呼ばれるようになりたい。春の結果を夏につなげて甲子園出場を果たしたい」と胸を張った。武相が、力強く、復活の一歩を踏み出した。

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