群馬大会後にエース離脱のアクシデント
春・夏連覇は逃したが堂々たる戦い
春の選抜甲子園で悲願の全国制覇を成し遂げた健大高崎。今夏は群馬大会を勝ち抜き９年ぶりの甲子園出場を成し遂げた。エース離脱のアクシデントを乗り越えて甲子園に向かったチームは春・夏連覇は逃したが完全燃焼を果たした。
■甲子園前にエース佐藤が負傷離脱
健大高崎は、春の選抜王者として９年ぶりの甲子園を目指し群馬大会へ臨んだ。その道のりは、想像以上に険しかった。３回戦・桐生第一戦は２度のリードを許す展開だったが延長タイブレークで薄氷の勝利。準決勝・前橋育英戦は８対２で迎えた９回裏に６失点して同点に追いつかれると、無死満塁の絶体絶命の状況となった。しかし、エース左腕の佐藤龍月が気迫のピッチングで危機回避。延長タイブレークで９対８と勝ち切って決勝へ進出した。決勝では前橋商に５対１で勝利して、執念で甲子園チケットをつかんだ。しかし、群馬大会後にエース佐藤の負傷が判明して、甲子園メンバーから外れることが発表された。
■次世代に託した夏全国制覇ミッション
エース不在で甲子園に乗り込んだチームは、石垣元気が背番号１をつけた。さらに下重賢慎、杉山優哉、仲本暖ら投手陣が奮起。総力戦で夏の頂点を狙いにいった。１回戦の英明戦（香川）では下重から石垣への継統で完封リレーで１対０で勝ち切った。２回戦の智弁学園（奈良）戦は、杉山が先発し仲本へつなぐ継投策。１対１で９回まで進んだが、最終回に耐えきれずに１失点。９回裏の反撃も及ばずに１対２での惜敗となった。投手陣の奮闘を、打撃陣がサポートできなかった。圧倒的なキャプテンシーでチームを牽引してきた箱山遥人主将は試合後、泣き崩れた。それは、年間を通じて必死で戦ってきた証だった。「つらい時期が多かったが仲間がいたからここまで来ることができた。夏は勝てなかったが最高の高校野球だった」（箱山）。春・夏連覇は逃したが堂々たる戦い。健大高崎の夏全国制覇のミッションは次世代に託された。
