1期生6選手で硬式女子野球チームが誕生
「群馬の女子野球を盛り上げていきたい」
市立前橋に今春、硬式女子野球チームが誕生した。全日制高校では県内初。1期生の選手6人は切磋琢磨しながら来春の単独チーム結成に向けて練習に励んでいる。
■群馬県内初の全日制硬式女子野球
今春、群馬県内初の全日制高校の硬式女子野球チームが始動した。県内の学童野球(小学生)では多くの女子選手が活躍中で、中学での軟式野球の“受け皿”として、群馬エンジェルス(中体連)、プリンセッサ群馬(太田市=クラブチーム)、高崎レッドヴィーナス(高崎市=クラブチーム)などが活動している。だが、高校では通信制の「わせがく前橋キャンパス」のみで全日制チームはなかった。中学で実績を残した選手が野球を続ける場合は県外高校へ進学するルートしかなく、断念するケースもあったという。
今年7月の全国大会に連合チームで参加
女子選手の選択肢を増やすために市立前橋が今春から女子チームを結成することになり1期生となる6選手が入学し、新たなスタートを切った。指導するのは中学野球で実績を残し、群馬県選抜を指揮した経験を持つ矢嶌進監督(元前橋東中監督)。矢嶌監督は「これまでは野球を続けたくてもプレーできない選手がいた。市立前橋でのチーム発足は群馬県の女子野球の普及につながっていく」と語る。6選手は、今年7月開催に兵庫県で開催された全国高校女子硬式野球選手権大会に連合チームに加わる形で参加し、初の公式戦を経験した。坂庭璃子部長(1年=内野手)は唯一スタメンで出場し全国の舞台に立った。
■来年度からは単独チームへ
市立前橋女子野球は、学校野球場や前橋北部グラウンドで週6日の練習に励む。中学硬式チームと一緒に練習試合を行い、実戦経験を積みながら、来春の1年生入部を待っている。チームキャプテンの横山紗来(1年=内野手)は「中学野球では、週末しか野球ができませんでしたが、高校では毎日練習ができるので楽しい。みんなで成長して来年度からは単独チームで大会に出場したい」と笑顔をみせる。ピッチャーの吉村咲來(1年)は、今夏の高校野球・前橋商でプレーした吉村遙人投手(3年)の妹。吉村は「市立前橋の1期生として群馬の女子野球を盛り上げていきたい」と練習に励む。坂庭部長は「それぞれが目標に向かって成長していくことが勝利につながっていく。みんなで頑張っていきたい」と全国大会での初勝利を目指す。(市立前橋硬式女子野球チームは今後、同好会活動を経て部への昇格に向けて努力を続ける)
市立前橋・ 矢嶌進監督
女子野球普及の一歩に
「市立前橋が群馬の硬式女子野球普及の一歩につながるように選手と一緒に頑張っていきたいと思います。攻守の基本を徹底して、グラウンド内外で中学生などのお手本になるようなチームにしていきたいです」