秋の県代表決定戦で藤枝明誠に善戦
悔しさを糧に夏のベスト8を狙う
2021年秋の県大会で初のベスト8入りを果たした科学技術。「自ら考えて取り組む」をテーマにするチームは、夏の飛躍を目指して自主的に練習に励む。目指すは、強豪撃破だ。(取材・栗山司)
■秋の悔しさを原動力に
「金星」まであと一歩だった。秋の県代表決定戦。昨秋の県王者・藤枝明誠相手に果敢に攻めた。5回に一挙5点を先取。6回にも2点を追加し、コールド勝ちも見える展開だった。
しかし、終盤に大量失点。7対8でサヨナラ負けを喫した。前半は打線がつながって理想的な展開に持ち込んだが、勝ち切ることができなかった。主将の滝口泰成(2年=内野手)は「リードしたら緊張してしまい、消極的な守備になってしまった」と振り返る。
その後、県大会では1勝を挙げたものの、2回戦でコールド負けを喫した。「守備で崩れてしまって、そこから切り替えができなくなってしまいました」(滝口)。今チームの目標は県ベスト8進出。ベスト32で終わった秋の悔しさを原動力に、25人の選手は地道に日々の練習をこなしている。
■火曜日は課題練習
2008年に静岡工と清水工との再編整備により開校した科学技術。2021年秋の県大会では初のベスト8入りを果たし、センバツの21世紀枠静岡県候補に選出された。
テーマは「やらされる練習」ではなく、「自ら考えて取り組む」こと。その一環として、毎週火曜日を課題練習日として設けている。攻撃タイムと守備タイムの時間があり、攻撃タイムはティー打撃の選手もいれば、正面から投げてもらってテニスボールを打ち込む選手もいる。さらに守備タイムでは捕球練習や送球練習する選手に分かれていく。直前の練習試合を見直し、次の練習試合に向けて何を意識するのか。その時々で必要なことを考えて課題練習に向き合う。
就任7年目を迎える森田重成監督はそばでじっと選手の様子を見つめている。「今年は私が考えていることと、ブレて課題練習している選手がいないです。その時々で必要なことをやってくれています」
■次こそ強豪撃破へ
平日の練習時間は約2時間と短く、近隣への配慮から思い切って声を出せないというハンディもある。それでも一切の妥協はしない。滝口主将の言葉だ。「秋を戦ってみて、普段の練習から緊張感を持っていくことが大事だと思いました。今は雰囲気を大事にしています」
個々の能力も上がっている。前述の藤枝明誠戦で5回無失点のエース石川晴(2年)は安定感が抜群。そして、森田監督が「自分がこの学校に来てから一番打てる」と期待。攻撃面は、前チームからレギュラーの横山真裟斗(2年=内野手)、佐藤陸人(2年=外野手)、滝口主将を中心にどこからでも得点を奪うことができる。「春と夏はどんどん勝って強いチームと対戦していきたい」と意気込む主将・滝口。次こそ、強豪撃破を成し遂げる。