
2025年夏 栃木大会【戦記】作新学院
決勝で惜敗し4年ぶりの夏甲子園ならずも
過去10連覇の王者のプライドを示す
決勝戦・延長タイブレークで惜敗し涙
難敵に勝利し決勝進出も甲子園に届かず
4年ぶりの夏甲子園を目指した作新学院が決勝戦で青藍泰斗に敗れて準優勝となった。選手たちは、大会直前の監督交代の状況下でベストを尽くした。
■準決勝・国学院栃木戦で劇的勝利
栃木大会の組み合わせ抽選を控え夏本番に向かうチームに衝撃が走った。小針崇宏監督が不適切指導によって謹慎となり、夏大会の監督を外れることになったのだ。佐藤充彦コーチが監督に昇格し指揮を執ることが決まった。監督は変わったが、選手たちがやるべきことは変わらない。葭葉慶治主将ら選手たちは作新学院のプライドをかけて今夏に挑んだ。2回戦で小山、3回戦で足利、準々決勝で幸福学園に勝利し準決勝・国学院栃木戦へ駒を進めた。3対0でリードしたが7回までに逆転を許す展開。しかし執念で延長タイブレークに持ち込むと5対4で勝ちきり決勝の舞台に立った。
■決勝戦では延長タイブレークで無念
決勝・青藍泰斗戦は、最速140キロ超の本格派右腕・斎藤奨真が先発し伸びのあるストレートでゲームを作っていった。2回に先制を許したが4回に機動力を絡めた攻撃で2点を奪い逆転に成功する。斎藤は8回に守備陣のエラーを皮切りに1失点し、2対2で延長タイブレークに突入した。後攻の作新学院は10回表に2本のタイムリーを許して2点ビハインドとなったが、その裏、強攻策で無死満塁のチャンスをつかんだ。一打同点、さらにはサヨナラへつながる好機だったが生かすことができずに無情の敗戦となった。選手たちはグラウンドに膝をついた。勝敗は、まさに紙一重だった。
■4年ぶりの夏甲子園出場届かず
2021年まで栃木大会10連覇の絶対王者。しかし、2022年から甲子園切符をつかむことができていない。2023、2024年春には選抜に出場したものの、この夏も決勝で敗れて4年ぶりの夏甲子園出場は果たせなかった。だが、大会直前に監督が交代するアクシデントの中で王者のプライドは示した。チームは秋以降も佐藤監督のもとで始動していくが、名門は屈しない。作新の魂を宿す選手たちは、来夏再び這い上がる。
