
帝京
復活の序章
発展途上チームが投打で進化
16年ぶりの選抜へ大きく前進
秋季都大会決勝で帝京が関東一に勝利して秋の頂点に立った。帝京が秋都大会を制したのは16年ぶり10度目。一戦ごとに進化した名門は、2011年夏以来15年ぶりの甲子園出場を確実とした。
■強い帝京を取り戻す戦い
帝京が再び甲子園への扉を開けた。3度の全国制覇を誇る名門だが、2011年夏を最後に甲子園に辿り着けていなかった。2021年夏に名将・前田三夫監督が勇退し、コーチでOBの金田優哉監督がチームを引き継いだ。「強い帝京を取り戻す」。帝京魂を背負って大海原へ漕ぎ出したが、2024年夏は東東京決勝で関東一に敗れるなど、毎年甲子園が視界に入りながらも土壇場で勝ちきれなかった。打撃力は突き抜けていたが、大一番で守備から崩れた。夏大会後に始動した新チームは、打撃に加えて守備を徹底強化。発展途上のチームだったが、一戦一戦で成長し秋の栄冠を勝ち取った。
■秋都大会優勝は単なる通過点
3回戦・城東戦では、2対3と劣勢で8回裏を迎えたが、安藤丈二と目代龍之介の連続ホームランで逆転勝利。準々決勝・日大三戦では、背番号1仁禮パスカルジュニアが緩急をつけた投球で3対0の完封勝利。準決勝では国士舘を9対0で退けて決勝・関東一戦を迎えた。先発の安藤が序盤のピンチをしのぐと、3回に打線がつながり一挙8得点。安藤は16安打を打たれながらも、堅守に助けられて9回4失点に抑えて8対4の勝利。躍進の原動力となった二刀流・安藤は「自分たちの目標は日本一。秋都大会優勝は通過点です」と力を込めた。試合後、指揮官は選手たちの手で神宮の宙を舞った。秋都大会制覇は、名門復活の序章だ。







