

オイスカ浜松国際
「スマイルベースボール」
国際色豊かな学風の中、野球を本気で楽しむ
今秋ドラフト会議で初のプロ野球選手誕生
2011年創部のオイスカ浜松国際は、選手の個性を磨いてチーム力を高める。高校野球の新たなスタイルを構築するチームは「スマイルベースボール」のスローガンのもと笑顔の先にある勝利を追求する。(取材・栗山司)
■監督はアメリカ野球を経験
上下ともに紫色のユニフォームで、県高校野球界に新たな風を吹き込もうとしている。
2011年に創部したオイスカ浜松国際を率いるのは、異色の経歴を持つ永井浩二監督だ。名門・広島商、亜細亜大を経て社会人でもプレー。その後、アメリカに渡り、ニューヨーク・メッツでブルペンキャッチャーなどを経験し、野球を楽しむ中での勝負の厳しさを学んだ。
帰国後は浜松大(現常葉大浜松キャンパス)の監督としてリーグ優勝を達成するなど、チームを強化。そして、2019年6月にオイスカ(現オイスカ浜松国際)の監督に就任すると、直後の夏に県ベスト8入り。掲げた合言葉は「スマイルベースボール」。永井監督は「勝つことだけを求めた野球はやりたくなかった」と語り、その後も型にはめず、選手の個性を引き出す独自のスタンスで歩みを続けている。
■将来を見据えて土台を作る
選手の出身地は実にさまざま。県内のみならず全国各地から集まり、かつては海外出身の留学生選手も活躍した。今季のチームのエースで主砲の慶田盛海志(2年)は沖縄・石垣市出身。「あの紫のユニフォームを見て興味を持ち、ここに来ました」と笑う。
環境面は決して恵まれていない。グラウンドのうち、内野と外野の一部しか使用できず、ゲーム形式の実戦練習は限られる。その中で、個々の能力向上に重点を置いている。
全体練習は約2時間だが、その後は個人練習。さらに週1回は近隣のスポーツジムでトレーニングを行い、基礎体力の土台を作っている。
今年の3年生は公式戦で勝ち星を挙げることはできなかったが、大橋令和(3年=内野手)がドラフト会議で指名(ソフトバンク育成4位)を受け、大学でプレーを続ける選手も複数いる。永井監督が目指している「出口の安定性を求めるチーム」に近づいている。
■新しい高校野球のスタイル
昨年秋、新チームの結成時に掲げたスローガンは「限界突破」だ。主将の岸央将(2年=内野手)はこう語る。「前のチームに比べて今年は体が小さいですし、試合経験も少ないです。一人ひとりが日頃の練習から限界を超えて、大きく成長していきたいと思っています」
秋は県予選の初戦で敗退。先制点を奪いながらも逆転負けを喫した。勝ち越し点を許した左腕・齋藤匠汰(2年)はその悔しさを胸に、大会後に急成長を遂げている。「自主的な練習が多く、自分の伸ばしたいところを磨く時間が増えました。今は自信を持って投げられるようになっています」
練習の雰囲気はピリピリしたものではなく、選手たちは「上手くなろう」と互いに刺激し合っている。そこには、自由で前向きな新しい高校野球の形があった。









