
静岡農
「ポジティブに」
創立100年以上の地域伝統農業校
限られた時間で創意工夫し進化へ
1914年創立の地域伝統校・静岡農。野球を愛する選手たちは、勝利を目指してポジティブに前へ進んでいく。(取材・栗山司)
■毎日100スイングで打撃アップ
昨年は8年ぶりに夏の大会で校歌を歌った。初回に3点を先制すると、4回にも3点を追加。7対2で勝利を飾った。先制タイムリー二塁打を放った山下亞依人(2年=捕手)は「嬉しかった」と当時を振り返る。
1914年に創立した静岡農。野球部は3年後の1917年に創部し、夏の大会で過去2度4回戦に進出した経験を持つ。
部員不足に苦しみ、一時は9人ギリギリの人数で大会に臨んでいた時期もあったが、ここ数年は2学年合わせて、2桁の人数が揃うまでになった。それにともない、チーム力も着実に向上し、勝てる集団へと進化している。
2年生と1年生が経験を積んだ今チーム。秋の県予選では初戦敗退を喫したものの、一冬を乗り越えて確実に力をつけている。
梅原幸正監督の「打って勝っていきたい」という思いから、積極的にバットを振り込んできた。チームの先頭に立つ堀龍太主将(2年=中堅手)はこう話す。「自分たちは毎日、家に帰ってから100スイングしようと話し合いました。その成果で、今まで外野手の前までしか飛ばなかった打球が、外野手の頭を越えるようになってきました」
まずは形ではなく、継続して数を振ること。梅原監督も「振っていくうちにだんだんと合理的なスイングになっていく。だいぶ振れるようになってきた」と、目を細める。
■前を向く姿勢で
冬場の練習は午後4時から始まり、同6時半には終わる。限られた時間の中で、毎日が同じメニューではなく、梅原監督が「あきないように」と守りの日を作ったり、トレーニングの日を入れたりと、工夫を凝らしているのも特徴だ。
そんな日々の練習で、選手たちが心掛けているスローガンがある。「ネガティブワードはなし。ポジティブに前を向く」。
新チーム結成当初は、ネガティブな言葉が多かった。秋の敗戦も、相手のベンチの声に圧倒された部分もあった。それが少しずつ前向きな言葉に変わり、チーム全体の雰囲気も明るくなった。取材日はノックの1日。寒風が吹き荒れる厳しい寒さでも誰一人、下を向くことなく、元気な声を出し続けていた。
■歴史を刻む夏へ
秋の敗戦を糧に個人の能力は向上、投打のバランスも整いつつある。守りは佐藤和輝(2年)と、三好泰成(2年)らの投手陣が、打たせてとって失点を最小限に食い止める。「最初はゲッツーがなかなか取ることができませんでしたが、今はエラーが減っています。オフ期間に打撃力と守備力が上がったので、春の勝利を目指したいと思います」(堀主将)。一方で攻撃は主砲・山下を軸にして全員でつないでいく。冬に鍛えた打撃力に機動力を絡めて得点を奪う。
春の目標は1勝。そして夏は33年ぶりの2勝を挙げて歴史の扉を開ける。





