打撃力武器に3年ぶり6回目の秋制覇
2018年春以来の選抜懸けていざ関東へ
国学院栃木が秋季栃木県高校野球大会決勝で石橋を下して3年ぶり6回目の秋制覇を果たした。
2020年11月号掲載
(取材・永島一顕)
■粘りの逆転劇でサヨナラ勝利
打撃力で奪った栄冠だ。
準々決勝の佐野日大戦(14対7)で18安打、準決勝の青藍泰斗戦(9対4)で11安打と活発な打線を利して強豪のシード勢を破ってきた国学院栃木。
秋の王者を決する石橋との決勝・大一番でも序盤の不利を打線がカバー、見事な集中攻撃で流れを引き寄せてサヨナラ勝ち、3年ぶり6回目の頂点に立った。
国学院栃木は、4点を追って迎えた4回、この回先頭の関凛斗(2年)、続く佐鳥雄翔(2年)が連打、犠打で2、3塁に進んだ後に島田稔規(2年)の遊ゴロの間に関が生還し1点返した。
6回にも関、佐鳥が連打で出塁、1死1、2塁から島田の中前打で2点目。
更に林尚輝(2年)の2点適時2塁打で同点とし、三進した林が、樋口慧汰(2年)の犠飛でこの回4点目のホームを踏み逆転に成功した。
粘る石橋に7回に追いつかれたものの、9回、この回先頭の代打・平井悠馬(1年)が左前打を放つと代走・成田宇宙(2年)を起用。
2死2塁から打席に立った四番・最上太陽(2年)の中前打で、成田がサヨナラのホームを踏み、激闘に終止符を打った。
1回戦から継投で勝ち上がってきた投手陣は、決勝でも5投手が登板。
序盤は相手にリードを許す展開だったが、4回途中からマウンドに立ったエース林が4回1失点で試合を落ち着かせた。
バックも堅守でカバー、9回には石橋のスクイズを阻止するなど、随所で好プレーを見せた。
国学院栃木は今大会のシード校を決める交流戦で栃木商に敗れる波乱のスタートとなったが、本大会では接戦を勝ち抜いて一戦ごとに成長。
強豪を次々と撃破して、戦国栃木を制圧してみせた。
エース林は「柄目監督をナンバーワンにしたいと思って頑張ってきた。優勝という成果が出せてうれしい」と笑顔をみせた。
一体となったチームは2018年春以来の選抜切符を視野に、栃木県1位で関東大会へ乗り込む。
■石橋、公立校のプライド魅せる
4年ぶりの決勝で初優勝を目指した石橋は、初回と4回に各2点奪い4対0とリードしたものの、準決勝まで好投していたエース篠崎晃成(2年)が国学院栃木の攻撃を封じ切れず中盤で5失点。
5対5の同点でマウンドに立って好投した曽雌悠斗(1年)は、9回に先頭打者を出して迎えたピンチを凌げずに失点、惜しくも初優勝は成らなかった。
それでも、公立校ながら王者・作新学院を始めとする強豪を堂々の戦いぶりで打ち破って決勝まで駒を進めた成績は評価できる。
念願の「選抜出場」が叶いそうなところまで近づいたことは確か。
関東大会では栃木2位のプライドを背負って戦う。