2年生は部員30人の個性派集団
重量打線と強気なエースを軸にいざ春へ
昨年の秋季大会一次予選で都立実力校を破って都大会へ進出した明法。チームの中心となる新3年生の代は、部員30人の最強世代。野球を楽しむ個性派集団は、自分たちの力を信じて球春を待つ。
(2021年3月号掲載)
■体重100キロの4・5番と強気なエース
練習グラウンドには“個性”が散らばっている。
クリーンアップに座るのは、右の大砲・京嶋大和(2年=内野手)と 左のパワーヒッター・青木拓実(2年=外野手)。ともに体重が100キロを超える超重量級で、相手投手への威圧感は抜群。計200キロの両スラッガーがチームの看板だ。エースは、スラリとした体躯から迫力のストレートを投げ込む牧嶋葵向(2年=投手)。いまどき世代のポーカーフェースだが、マウンドに上がるとスイッチが入る。強気なピッチングをみせるエースがチームを牽引していく。青葉渚(2年=二塁手)、伊藤亮(2年=遊撃手)の二遊間コンビも攻守にキラリと光るプレーをみせる。
■先輩たちの思いも背負って
明法は例年1学年10〜15人の部員数だが、今年の2年生は突出している。もともとは男子校だが2019年に男女共学化。その追い風を受けて30人(マネージャー2人含む)が入部した。
新生・明法の旗印のもとに集まった選手たちは、この2年間、切磋琢磨。コロナ禍によって練習時間が制限されるなどの困難もあったが、気持ちを一つに乗り越えてきた。
前チームは、2019年秋季大会一次予選の代表決定戦で文京に敗れて敗退。2020年春季大会が中止になり、昨夏の西東京大会は初戦で東農大一に屈した。今季の選手たちは、先輩たちの思いも背負って戦っていく。
■2009年春以来都大会進出
最強世代のチームは、昨年の秋季大会一次予選で都立実力校・杉並と対峙。予想では杉並有利と言われながらも、明法がその潜在能力を発揮。4番・京嶋の長打、5番・青木のホームランなどにより4対1で勝利、一次予選決勝で高輪を下して都大会進出を決めた。春・秋の都大会出場は2009年春以来のことだった。
12年ぶりの都大会の初戦相手は、日大三。東京を代表する強豪に対して、明法は初回に3点を先取し「金星」の可能性もあったが、結果的には3対13でコールド負け。奮闘したものの初戦敗退となった。
相良祐典監督は「三高には力の差をみせつけられたが、東京トップレベルの力を知ったのは大きな収穫。秋以降、選手たちの意識は変わっている」とチームの変化を語る。近藤来哉主将(2年=外野手)は「春・夏に勝ち上がって僕たちの代で新しい歴史を作りたい」と練習に励む。
明法は春・夏のダークホース。最強世代のプライドを結果で示すときは近づいている。