5度目の甲子園へスタンバイ
2019年夏準優勝の伝統実力校
2019年夏の準優勝となった日大藤沢は、昨年秋のドラフトで牧原巧汰(捕手)がソフトバンク3位指名を受けるなど若い芽がぐんぐんと育つ環境にある。コロナ禍でも選手たちが成長を続けている。
■若い才能が集結する環境
春夏通算4度の甲子園出場を誇る伝統実力校・日大藤沢。
2019年夏の神奈川大会で進撃をみせて準優勝となったことが記憶に新しい。才能あふれる選手たちが躍動するチームは、神奈川のタレントが集まってきている。2020年秋のドラフトでは世代屈指の大型捕手・牧原巧汰(捕手)がソフトバンクから3位指名を受けるなどプロ野球スカウト陣がチームに熱視線を送る。2021年度は、走攻守三拍子揃った大型外野手・柳澤大空(3年)、最速144キロのエース清水虎太朗(3年)もスカウト陣のドラフトリストに入るという。2019年夏の準優勝を受けて入部した新2年生にも逸材が並ぶ中、今春は世代屈指の1年生大型ショートストッパー田上優弥(DeNAベイスターズジュニア出身)も、高校野球の場として日大藤沢を選んでいる。
ここには若い才能を伸ばす環境がある。
■『WITH コロナ』のマネジメント
2019年夏の準優勝から、チームは足踏みをしてしまっている。
2019年秋は3回戦で三浦学苑に11対12で敗れた。2020年春がコロナ感染拡大の影響で中止となり、2020年夏は5回戦で再び三浦学苑に屈してしまった。そして2020年秋には、3回戦で横浜商に敗れている。山本秀明監督は「Y校戦は、ミスもあったが力負けの印象を受けた。2019年夏の準優勝で甲子園が再び見えてきたと思っていたが、コロナの影響もあり、再び遠ざかってしまった。『WITH コロナ』のチームマネジメントを考えていかなければいけない」と、矢印を自分たちに向けている。
指揮官は伝統のスタイルを前面に出し「昭和の野球」を貫いてきたが、今後は「昭和」と「令和」のハイブリッド型へ変革していく。
■「昭和」と「令和」のハイブリッド
昨秋の敗戦から学んだ選手たちは冬を越えてひと回り以上も大きくなっている。
コロナ禍でも投打にスケールアップしたチームは、蓄えた力を出力すべく実戦トレーニングへと移行している。今年のチームをまとめるのは宮沢幸大主将(3年=内野手)。前年度は、ダブルキャプテン制度を採用していたが、今季は宮沢主将が先頭に立ち、チームメイト全員が副キャプテンという位置付けをしている。宮沢主将は「今年は、去年の牧原巧汰さん(ソフトバンク3位指名)のようなスター選手はいませんが、力を合わせて一丸となって戦えるチーム。ここから巻き返していく。
2019年夏の先輩たちのためにも、もう一度、決勝へ行って勝ちたい」と力を込める。日大藤沢は、時代に合わせて変化していきながら、次世代の扉を開く。限りない前進は続いていく。