2025年秋【チーム分析】沼田 群馬北毛地区の伝統校。OB指揮官就任で高まる期待。「沼高プライド」とは?
沼田高校

沼田
「沼高プライド」

指導規範は五常の教え「仁・義・礼・智・信」
今春に沼女と統合、新指揮官のもと新たな船出

 1999年夏に準優勝となった実績を持つ伝統校・沼田。今春に沼田女子と統合し男女共学となった新生・沼田は、OBの飯塚知之監督が就任し新たなスタートを切った。「沼高プライド」を宿すチームは、伝統を継承しながら革新の道へ進んでいく。

■新指導体制で戦国・上州の戦いへ


 旧沼田は1999年夏の群馬大会で進撃をみせて初の決勝戦へ進出した。その夏の甲子園で全国制覇を果たすことになる桐生第一に敗れたものの堂々の準優勝。北毛エリア初の甲子園出場は果たせなかったが、城下町に活気を届けた。

当時のチームの絶対エースだった飯塚監督が今年4月に沼田に着任し指揮を任された。さらにチームメイトだった原澤裕一コーチが“参謀”として指揮官を支えている(住谷裕志責任教師、深澤優仁コーチ)。ちなみに健大高崎の生方啓介責任教師は飯塚監督、原澤コーチと同級生にあたる。新生・沼田は新たな指導体制で、戦国・上州のトーナメントに挑んでいく。


■沼高プライドを宿す指揮官
 飯塚監督は明治大卒業後にスポーツメーカーに勤務。大学時代は肩を痛めて完全燃焼できなかったため独立リーグの世界へチャレンジし、プロ野球BCリーグ群馬ダイヤモンドペガサスで2年間プレーした。

引退後に県教員になると、高崎工(定時制)でのバスケ部顧問を経て、榛名で野球部監督。今春に沼田へ異動となり、26年ぶりに母校のグラウンドに立った。旧沼田時代から引き継がれる五常の教え「仁・義・礼・智・信」を指導規範にして選手たちと向き合っている。

沼高プライドを宿す飯塚監督は「プレッシャーはあったが、後輩たちが野球を心から楽しんでいる姿を見て、一緒に甲子園を目指したいと思った。引退するときに『沼高野球部に入って良かった』と思えるチームにしていきたい」と指導に情熱を注ぐ。


■秋大会1回戦で桐生市商を撃破
 今秋に始動した新チームは、実戦派サウスポー須田圭吾主将(2年=投手)を軸に士気が高まっている。セカンド青柳柊里(2年)、ショート竹中瑛太(2年)の二遊間が鉄壁の守備をみせれば、小渕晴太(2年=内野手)、茂木悠晴(1年=捕手)、佐藤叶騎(1年=外野手)の打撃陣が勝負強さをみせる。

秋1回戦では実力校・桐生市商と対戦し、4対4で延長タイブレークに突入すると、10回表に小渕の2点タイムリー、茂木の満塁弾などで6点を奪って10対4で勝ち切ってみせた。

須田主将は「桐生市商戦勝利は自分たちの大きな自信になった。どんな状況でも前向きにプレーして、伝統にふさわしい結果をつかんでいきたい」と力を込める。新生・沼田は情熱と誇りを胸に、遥かなる甲子園を目指す。

(取材・伊藤寿学)

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