夏コロナ辞退の西邑楽と藤岡中央が城南球場で対戦
高校野球の仲間同士が好ゲーム、笑顔で引退へ
今夏の群馬大会を辞退した西邑楽と、その対戦相手だった藤岡中央の特別交流試合が8月15日に高崎城南球場で行われた。
■選手たちの“区切り”の特別なゲーム
西邑楽は今夏の群馬大会1回戦で太田工に勝利し2回戦進出を決めた。しかし、2回戦直前でコロナ禍によって大会辞退という結果になった。部員たちは集まることが出来なかったため柳澤英希監督らが大会辞退を伝えるために電話連絡。電話口で泣き出す選手もいたという。勝敗がつくことなく高校野球生活の終わりを迎えることになった選手たちのために、指導者らが生徒たちにとって“区切り”となる特別試合を考案。対戦相手・藤岡中央の協力を仰ぎ、大会試合会場だった高崎城南球場でのゲームが実現した。
■夏さながらの激闘、藤岡中央サヨナラ勝利
当日はマネージャーたちが始球式を行ったあとにプレーボールとなった。ゲームは大会さながら白熱した展開となった。西邑楽は3対4で迎えた9回に、山本凛の中前タイムリーで同点に追いつく。だが、9回裏にエース大関龍司主将が1点を奪われて、無念のサヨナラ負けとなった。藤岡中央は、西邑楽の思いに負けない気持ちでゲームへ臨み、勝ち切ってみせた。試合後、西邑楽の選手たちは目を潤ませて健闘を称え合った。藤岡中央・澤入湊主将は「4対4の同点で終わりにしたい気持ちもあったが、最後にチームのみんなが力をみせてくれた。同じ高校野球の仲間として、交流試合ができて良い思い出になった」と話した。西邑楽・大関主将は「最後に自分が打たれてしまって悔しい気持ちもあるが、交流試合が出来て良かった。応援してくれた人たちに感謝したい」と汗をぬぐった。西邑楽・柳澤監督は「良い相手に恵まれて交流試合が出来た。最高のゲームだった」と選手たちを称えた。